はじめに
「外壁塗装は3度塗りが基本です」
この言葉を、塗装業者から聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。確かに、塗装業界では「下塗り・中塗り・上塗り」の3度塗りが標準とされています。
しかし、現役の建築会社経営者として、私はこの業界の実態を数多く目にしてきました。そして残念ながら、この「3度塗り」をめぐって、多くの悪質な手口が存在しているのが現実です。
今回は、業界内部にいるからこそ知り得る「塗装の闇」について、本音で語ります。これから外壁塗装を検討されている方が、正しい判断をするための一助となれば幸いです。
塗装業界の「不都合な真実」|外壁塗装の手抜き実態
問題①:2度塗りで終わらせる外壁塗装の手抜き工事
最も多いのが、契約では「3度塗り」と謳いながら、実際には2度塗りで済ませてしまうケースです。
なぜこのようなことが起きるのか。理由は単純です。
- 塗料代が削減できる
- 職人の手間が減る
- 工期が短縮できる
つまり、業者の利益率が大幅に向上するのです。
一般の施主様が現場に張り付いて監視することは現実的ではありません。そして、塗装後の見た目だけでは、2度塗りか3度塗りかを判別することは極めて困難です。この「バレにくさ」が、手抜き工事を助長しています。
問題②:下塗りの省略
さらに悪質なのが、下塗りを省略するケースです。
下塗りは、塗料と外壁材の密着性を高める重要な工程です。これを省略すると、数年後に塗膜の剥離やひび割れが発生しやすくなります。
ただし、下塗りを省略しても、施工直後の見た目には全く影響がありません。問題が表面化するのは3年後、5年後。その頃には保証期間が切れている、あるいは業者と連絡が取れなくなっているというケースも少なくありません。
問題③:塗料の希釈率操作
塗料は、適切な希釈率で使用することで本来の性能を発揮します。しかし、悪質な業者は塗料を規定以上に薄めて使用することがあります。
塗料を薄めれば、当然ながら使用量を減らすことができます。100万円の契約で、塗料代を20万円削減できれば、それがそのまま業者の利益になるわけです。
なぜ「3度塗り」が必要なのか?
ここで、本来の塗装工程について解説します。
下塗り(1回目)
外壁材と塗料の密着性を高める役割。外壁の素材に応じて、シーラー、プライマー、フィラーなどを使い分けます。この工程を省略すると、塗膜の耐久性が著しく低下します。
中塗り(2回目)
下塗りと上塗りの間に挟むことで、塗膜の厚みを確保し、色ムラを防ぎます。仕上げ塗料を使用するケースが多く、この段階で外壁の色が決まります。
上塗り(3回目)
最終的な仕上げ。紫外線や雨風から建物を守る保護層となります。中塗りと同じ塗料を使用し、塗膜の均一性と耐久性を高めます。
つまり、3度塗りは単なる「業界の慣習」ではなく、塗装の耐久性と品質を担保するために必要な工程なのです。
現場で実際に起きている手口
ケース1:「塗料のグレードアップ」という罠
「通常は3度塗りですが、この高級塗料なら2度塗りで同等以上の効果があります」
こう説明されると、一見合理的に聞こえるかもしれません。しかし、これは典型的な詐欺トークです。
どんなに高性能な塗料でも、メーカーが定める標準工程は「3度塗り」です。塗料の性能は、適切な塗膜厚があって初めて発揮されます。
ケース2:作業報告書の改ざん
「本日、下塗り作業を完了しました」という報告書を毎日送ってくる業者。しかし実際には、下塗りと中塗りを同日に済ませ、翌日は作業をしていないというケースもあります。
写真付きの報告書でも、別の現場の写真を使い回すなど、巧妙な手口が存在します。
ケース3:乾燥時間の無視
塗料には、適切な乾燥時間が設定されています。下塗り後、最低でも4時間から24時間の乾燥時間が必要です。
しかし、工期を短縮するために、乾燥が不十分なまま次の工程に進む業者も存在します。これでは、いくら3度塗っても本来の性能は発揮されません。
悪徳業者に引っかからないための5つのチェックポイント
1. 見積書の内訳を確認する
優良業者の見積書には、以下が明記されています。
- 使用する塗料のメーカー名・商品名
- 塗装面積(㎡)
- 塗料の缶数
- 下塗り・中塗り・上塗りの各工程の単価
「塗装工事一式」といった曖昧な記載しかない見積書は要注意です。
2. 塗料の缶数を計算する
外壁面積と塗料の塗布面積(カタログに記載)から、必要な塗料缶数を自分で計算してみましょう。
例:外壁面積150㎡、塗料の塗布面積50㎡/缶(2回塗り)の場合
→ 150㎡ ÷ 50㎡ = 3缶(2回塗り分)
→ 3度塗りなら、下塗り3缶 + 中塗り・上塗り4.5缶 = 計7.5缶程度
見積もりの缶数がこれより大幅に少ない場合は、手抜き工事の可能性があります。
3. 施工中の現場確認
可能であれば、各工程(下塗り・中塗り・上塗り)の作業日に現場を訪問しましょう。
- 使用している塗料缶を確認する
- 塗料の色を確認する(下塗りと仕上げ塗料は通常、色が違います)
- 作業人数と作業時間を記録する
悪質な業者ほど、施主の現場訪問を嫌がります。
4. 工程表の提出を求める
「いつ、どの工程を行うのか」を明記した工程表の提出を依頼しましょう。
- 下塗り:○月○日
- 乾燥期間:1日
- 中塗り:○月○日
- 乾燥期間:1日
- 上塗り:○月○日
この工程表通りに作業が進んでいるかを確認することが重要です。
5. 塗料缶の写真を撮影してもらう
各工程で使用した塗料缶の写真を、日付入りで撮影してもらいましょう。
- 缶に記載されたメーカー名・商品名が見積書と一致しているか
- 缶の数が適切か
- 下塗り材と仕上げ塗料が別の商品になっているか
これらを記録として残すことで、手抜き工事の抑止力になります。
それでも不安な方へ:相見積もりの重要性
ここまで解説してきた内容を、すべて自分でチェックするのは現実的に難しいかもしれません。
そこで最も効果的なのが、**複数の業者から見積もりを取る「相見積もり」**です。
相見積もりのメリット
- 価格の相場がわかる
同じ条件で3〜5社から見積もりを取れば、適正価格が見えてきます。極端に安い、または高い業者には理由があります。 - 見積書の内容を比較できる
詳細な見積書を出す業者と、曖昧な見積書の業者。この差は、そのまま施工品質の差と言えます。 - 業者の対応を比較できる
質問に対する回答の丁寧さ、説明の分かりやすさ。これらは、施工後のトラブル対応にも直結します。 - 手抜き工事のリスクが下がる
相見積もりを取っていることを伝えるだけで、業者側は「この施主は知識がある」と認識し、手抜き工事がしにくくなります。
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特に、塗装工事が初めての方にとって、信頼できる業者を見つける入口として有効です。
業界を変えるのは、消費者の「知識」と「選択」
私が建築会社を経営する中で、最も心を痛めるのは、悪質な業者によって業界全体の信頼が損なわれていることです。
真面目に仕事をしている職人や業者は、たくさん存在します。しかし、一部の悪徳業者の存在が、業界全体のイメージを悪化させているのが現実です。
この状況を変えるのは、消費者である皆さんの「知識」と「選択」です。
- 不透明な見積もりには疑問を持つ
- 相見積もりで適正価格を知る
- 信頼できる業者を選ぶ
ただし、「相見積もりを取る」「業者を選ぶ」と言っても、
見積書のどこを見て、何を基準に判断すればいいのか分からなければ意味がありません。
実際、見積書の書き方そのものに
「危険なサイン」が隠れているケースは非常に多いです。
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現場経験者が教えるチェックポイント
こうした一つひとつの選択が、悪徳業者を市場から淘汰し、誠実な業者が正当に評価される業界を作っていきます。
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外壁塗装の相場を知っておくことが欠かせません。
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坪数別・塗料別に目安をまとめています
まとめ
外壁塗装における「3度塗り」は、建物を長期的に保護するために必要不可欠な工程です。しかし残念ながら、この基本すら守らない業者が存在するのが現実です。
大切なのは、
- 見積書の内容を理解すること
- 施工中のチェックポイントを押さえること
- 複数の業者を比較すること
そして何より、「安さだけで選ばない」ことです。
適正価格で、適切な工程を守る業者を選ぶ。これが、後悔しない外壁塗装の第一歩です。
外壁塗装を検討されている方は、まず相見積もりから始めることをお勧めします。
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この記事が、皆さんの大切な住まいを守るための判断材料となれば幸いです。

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