火災保険が使えないと言われたときの対処法

外壁塗装のトラブル
  1. 結論|否認理由を確認し、納得できなければ再調査を依頼できる
  2. まず確認すべきこと:否認理由を正確に理解する
    1. 火災保険が下りない(否認)主な理由
    2. 否認理由の確認方法
  3. 対処法①:否認理由に納得できない場合は再調査を依頼する
    1. 再調査を依頼できるケース
    2. 再調査の依頼方法
    3. 再調査の結果
  4. 対処法②:異議申し立て(苦情申し立て)をする
    1. 異議申し立ての方法
    2. そんぽADRセンターへの相談
  5. 対処法③:別の証拠を集めて再申請する
    1. 追加で集められる証拠
    2. 再申請の注意点
  6. やってはいけないこと
    1. NG①:経年劣化を自然災害として再申請する
    2. NG②:証拠を捏造する
    3. NG③:業者に「何とかして保険を通してください」と依頼する
  7. 保険が使えなかった場合の選択肢
    1. 選択肢①:自己資金で行う
    2. 選択肢②:助成金・補助金を利用する
    3. 選択肢③:ローン・分割払いを利用する
    4. 選択肢④:工事を延期する
  8. 保険が使えなくても焦らないことが大切
    1. 焦ると起きること
    2. 冷静になるためのポイント
  9. よくある質問
    1. Q. 保険が下りなかったのに、業者が「私たちなら通せます」と言っています。信じていいですか?
    2. Q. 再調査を依頼したら、保険料が上がりますか?
    3. Q. 経年劣化と判断されましたが、どうしても納得できません。どうすればいいですか?
    4. Q. 保険が下りなかった場合、業者への相談料やキャンセル料は払わなければいけませんか?
    5. Q. 保険申請を何度も繰り返すと、保険契約が解除されますか?
  10. まとめ|冷静に、正しい手順を踏むことが大切
    1. まず確認すべきこと
    2. 対処法
    3. やってはいけないこと
    4. 保険が使えなかった場合の選択肢
  11. 最後に|焦らず、一人で抱え込まず、冷静に判断してください

結論|否認理由を確認し、納得できなければ再調査を依頼できる

火災保険の申請が否認されたとき、多くの方が「もう諦めるしかない」と思いがちです。

しかし、必ずしもそうではありません。

  • 否認理由を正確に理解することが第一歩
  • 理由に納得できなければ、再調査や異議申し立てができる
  • ただし、経年劣化と判断されたものを覆すのは難しい
  • 虚偽申請や不正な再申請は絶対にしてはいけない

私は建築会社の経営者として、

これまで多くの施主の方から「保険が下りなかった」という相談を受けてきました。

その中には、本当に経年劣化で仕方がなかったケースもあれば、

もう少し詳しく説明すれば認められた可能性があるケースもありました。

この記事では、火災保険が使えないと言われたときに、どう対処すればいいのか、

何ができて何ができないのかを、現場の立場から正直にお伝えします。

大切なのは、焦らず、冷静に、正しい手順を踏むことです。


まず確認すべきこと:否認理由を正確に理解する

保険会社から「保険金は支払えません」という通知が来たら、まず否認理由を確認してください。

火災保険が下りない(否認)主な理由

火災保険が認められない理由として、以下のようなものがあります。

① 経年劣化と判断された

最も多い否認理由です。

損傷が時間の経過による自然な劣化と判断された場合、保険の対象外です。

  • 塗膜の剥がれ
  • 色あせ
  • ひび割れ(構造に影響のない小さなもの)
  • コーキングの劣化

これらは、通常10〜15年で自然に発生するものであり、保険では補償されません。

② 損害額が免責金額以下だった

保険契約によっては、免責金額(自己負担額)が設定されています。

例えば、免責金額が10万円の契約で、損害額が8万円と査定された場合、保険金は支払われません。

③ 損傷の原因が特定できなかった

「いつ、どの災害で損傷したのか」が明確でない場合、保険会社は判断できません。

  • 「去年の台風だと思うが、確証はない」
  • 「以前からあったかもしれない」

こうした曖昧な状況では、保険金が認められにくくなります。

④ 保険の対象外の原因だった

  • 地震による損傷(火災保険では対象外、地震保険が必要)
  • 施工不良による早期劣化
  • 人為的な損傷

こうした場合も、火災保険の対象外です。

⑤ 申請期限を過ぎていた

火災保険の請求権は、原則として損害発生から3年で時効になります(保険法の規定)。

ただし災害規模や契約内容で例外的な扱いになる場合もあるため、

早めに保険会社へ確認してください。

否認理由の確認方法

保険会社からの通知書には、否認理由が記載されています。

もし不明確な場合は、保険会社に電話で確認してください。

  • 「なぜ経年劣化と判断されたのか」
  • 「調査員はどこを見て判断したのか」
  • 「損害額がいくらと査定されたのか」

こうした具体的な情報を得ることで、次の対処法が見えてきます。


対処法①:否認理由に納得できない場合は再調査を依頼する

写真・災害日・被害の前後関係を出せるなら、再調査の価値があります。

再調査を依頼できるケース

以下のような場合、再調査を依頼する価値があります。

① 明らかに台風で損傷したのに、経年劣化と判断された

例えば、台風直後に雨樋が外れたのに、「経年劣化」と判断された場合、

再調査を依頼してみてください。

  • 台風の日付と被害状況を明確に伝える
  • 台風前の写真があれば提出する
  • 近隣でも同様の被害があったことを伝える

② 調査が不十分だったと思われる

調査員が現地に来たものの、損傷箇所をよく見ずに帰ってしまったように感じた場合、

再調査を依頼できます。

  • 「この部分も見てほしかった」
  • 「屋根には上がっていなかった」

こうした具体的な指摘をすることで、再調査が認められることがあります。

③ 損害額の査定が低すぎると感じる

保険会社の査定額と、業者の見積もり額に大きな差がある場合、再査定を依頼できます。

ただし、業者の見積もりに不要な工事が含まれている可能性もあるため、

一概に保険会社が間違っているとは限りません。

再調査の依頼方法

再調査を依頼する場合は、保険会社に電話またはメールで連絡します。

伝えるべき内容

  • なぜ納得できないのか(具体的に)
  • 追加で提出できる証拠があるか(写真、近隣の被害状況など)
  • どの部分を再度調査してほしいか

感情的にならず、冷静に、具体的に伝えることが大切です。

再調査の結果

再調査の結果、判断が変わることもあれば、変わらないこともあります。

再調査でも「経年劣化」と判断された場合は、残念ながら諦めざるを得ません。

これ以上無理に覆そうとすると、不正申請になるリスクがあります。


対処法②:異議申し立て(苦情申し立て)をする

社内窓口で整理したうえで、解決しないときにADRを使う、が基本ルートです。

再調査を経ても納得できない場合、保険会社に正式な異議申し立てをすることができます。

異議申し立ての方法

保険会社には、「お客様相談室」や「苦情受付窓口」があります。

ここに連絡し、正式に異議を申し立てます。

異議申し立てに必要な情報

  • 契約番号
  • 申請内容
  • 否認理由
  • なぜ納得できないのか(具体的に)
  • 証拠資料(写真、気象データなど)

保険会社は、異議申し立てを受けると、再度社内で検討します。

場合によっては、別の調査員を派遣することもあります。

そんぽADRセンターへの相談

保険会社との話し合いで解決しない場合、

「そんぽADRセンター(損害保険相談・紛争解決サポートセンター)」に

相談することもできます。

そんぽADRセンターとは

  • 一般社団法人日本損害保険協会が運営
  • 保険に関するトラブルの相談・解決をサポート
  • 無料で利用できる

そんぽADRセンター(損害保険相談・紛争解決サポートセンター)
 ナビダイヤル:0570-022808
 IP電話等:03-4332-5241
 受付:平日9:15〜17:00(年末年始等除く)

ただし、ADRセンターはあくまで中立的な立場であり、

必ずしもあなたの主張が認められるわけではありません。

写真や被害状況の整理が難しい場合は、

まず見積もりと被害の整理だけ先に進めると判断が楽です。

👉無料で相見積もりして整理する


対処法③:別の証拠を集めて再申請する

新しい証拠が増えた場合のみが原則です。同じ内容の出し直しは避けましょう。

一度否認されても、新たな証拠が見つかれば、再申請できる可能性があります。

追加で集められる証拠

以下のような証拠があれば、再申請が認められやすくなります。

① 災害時の写真

台風や雹の直後に撮影した写真があれば、非常に有力な証拠になります。

  • 損傷直後の外壁の写真
  • 台風で飛んできた飛来物の写真
  • 近隣の被害状況の写真

② 気象データ

気象庁のホームページで、過去の気象データを確認できます。

  • 台風の日付と風速
  • 雹が降った記録
  • 大雪の記録

こうしたデータを提出することで、「確かにその時期に自然災害があった」ことを証明できます。

③ 近隣の被害状況

同じ時期に、近隣の家でも同様の被害があったことを証明できれば、

自然災害による損傷と認められやすくなります。

  • 近隣住民の証言
  • 自治体の被害報告

④ 業者の意見書

外壁塗装の専門業者に、「この損傷は経年劣化ではなく、自然災害によるもの」という意見書を書いてもらうことも有効です。

ただし、業者によっては「保険が使える」と言いたいがために、

不正確な意見書を書くこともあります。信頼できる業者に依頼してください。

再申請の注意点

再申請は、新たな証拠がある場合のみ

一度否認されたものを、同じ内容で再申請することはできません。

新たな証拠や、見落とされていた情報がある場合に限り、再申請が可能です。

虚偽の証拠を提出してはいけない

「台風の日に撮った」と偽って、後日撮影した写真を提出する、といった行為は絶対にしてはいけません。

これは保険金詐欺です。


やってはいけないこと

火災保険が下りなかったときに、絶対にやってはいけないことがあります。

NG①:経年劣化を自然災害として再申請する

保険会社に「経年劣化」と判断されたものを、「台風で損傷した」と言い換えて再申請するのは、虚偽申請です。

重大なケースでは刑事責任を問われる可能性もあります。

NG②:証拠を捏造する

  • 台風の日ではない日の写真を「台風当日」と偽る
  • 自分で損傷を加えて「台風で壊れた」と主張する
  • 他の家の被害写真を「自分の家」として提出する

虚偽申請は調査で発覚する可能性が高く

契約解除や返還請求、刑事責任など重大なリスクがあります。

NG③:業者に「何とかして保険を通してください」と依頼する

業者に「保険が下りるように、何とかしてください」と依頼すると、

業者が不正な申請をする可能性があります。

誠実な業者であれば、「経年劣化なので、保険は難しいです」と正直に言ってくれます。

「任せてください、何とかします」と言う業者は、

不正を働く可能性があるため、注意が必要です。

「『保険で無料』と迫る業者の見抜き方はこちら」


保険が使えなかった場合の選択肢

火災保険が使えなかった場合でも、外壁塗装は可能です。以下の選択肢があります。

選択肢①:自己資金で行う

最も一般的なのは、自己資金で外壁塗装を行う方法です。

予算が厳しい場合は、以下の方法を検討してください。

  • 塗料のグレードを下げる
  • 外壁と屋根を同時ではなく、別々にする
  • 補修範囲を必要最低限にする

「自己負担の目安を先に知りたい方はこちら」

自己負担になった場合でも、金額と内容のブレを減らすために同条件で相見積もりは必須です。
👉外壁塗装の見積もりを無料で比較する

選択肢②:助成金・補助金を利用する

自治体によっては、外壁塗装に助成金や補助金を出している場合があります。

条件や金額は自治体によって異なるため、お住まいの自治体に確認してみてください。

選択肢③:ローン・分割払いを利用する

一度に大きな金額を用意できない場合、リフォームローンや分割払いを利用する方法もあります。金利や手数料を確認してから検討してください。

選択肢④:工事を延期する

劣化が軽度であれば、数年延期することも選択肢です。

ただし、劣化を放置すると、後でより高額な補修が必要になることもあります。

複数の業者に状況を見てもらい、

「今やるべきか、数年待てるか」を判断することをお勧めします。

相見積もりの取り方については、

「外壁塗装の相見積もりのコツ|比較ポイントと注意点」

詳しく解説していますので、参考にしてください。


保険が使えなくても焦らないことが大切

火災保険が使えなかったとき、多くの方が「何とか保険を使いたい」と焦ります。

しかし、焦りは判断ミスを生みます。

焦ると起きること

  • 業者の「保険を通せます」という言葉を信じてしまう
  • 虚偽申請に加担してしまう
  • 不必要な工事まで契約してしまう

冷静になるためのポイント

① 保険はあくまで「手段の一つ」

保険が使えなくても、外壁塗装はできます。

保険が使えることが目的ではなく、家を守ることが目的です。

② 一人で判断しない

家族に相談してください。配偶者、子ども、兄弟姉妹、誰でも構いません。

「保険が下りなかったけど、どうすればいいと思う?」と聞くだけでも、

冷静な視点が加わります。

③ 時間をかけて判断する

外壁塗装は、数日で決断しなければいけないものではありません。

時間をかけて、納得のいく判断をしてください。

④ 複数の業者に相談する

一社だけの意見では、判断材料が不足します。複数の業者に相談し、

「本当に今、外壁塗装が必要か」「保険なしでどれくらいかかるか」を確認してください。


よくある質問

Q. 保険が下りなかったのに、業者が「私たちなら通せます」と言っています。信じていいですか?

A. 信じない方が安全です。一度保険会社が否認したものを、業者が「通せる」ということは、不正な方法を使う可能性が高いです。虚偽申請に加担すると、あなた自身が罪に問われます。

Q. 再調査を依頼したら、保険料が上がりますか?

A. 再調査を依頼しただけで保険料が上がることはありません。ただし、頻繁に申請を繰り返すと、次回更新時に影響する可能性はあります。

Q. 経年劣化と判断されましたが、どうしても納得できません。どうすればいいですか?

A. そんぽADRセンターに相談することができます。ただし、保険会社の判断が覆る可能性は高くありません。経年劣化であれば、保険の対象外というのが原則です。

Q. 保険が下りなかった場合、業者への相談料やキャンセル料は払わなければいけませんか?

A. 契約前であれば、通常は相談料やキャンセル料はかかりません。ただし、契約書にサインしている場合は、契約内容を確認してください。

Q. 保険申請を何度も繰り返すと、保険契約が解除されますか?

A. 正当な理由で申請している限り、解除されることはありません。ただし、虚偽申請が発覚した場合は、契約解除や刑事告訴の可能性があります。


まとめ|冷静に、正しい手順を踏むことが大切

火災保険が使えないと言われたときの対処法をまとめます。

まず確認すべきこと

  • 否認理由を正確に理解する
  • なぜ経年劣化と判断されたのか
  • 損害額はいくらと査定されたのか

対処法

  • 納得できなければ再調査を依頼する
  • 異議申し立て(苦情申し立て)をする
  • 新たな証拠を集めて再申請する
  • そんぽADRセンターに相談する

やってはいけないこと

  • 経年劣化を自然災害として再申請する
  • 証拠を捏造する
  • 業者に不正な申請を依頼する

保険が使えなかった場合の選択肢

  • 自己資金で行う
  • 助成金・補助金を利用する
  • ローン・分割払いを利用する
  • 工事を延期する

最後に|焦らず、一人で抱え込まず、冷静に判断してください

火災保険が使えないと言われたとき、多くの方が「何とかしなければ」と焦ります。

しかし、焦りは判断ミスを生みます。

大切なのは、冷静に、正しい手順を踏むことです。

  • 否認理由を正確に理解する
  • 納得できなければ再調査を依頼する
  • 新たな証拠があれば再申請する
  • それでも認められなければ、諦めることも選択肢

そして、一人で判断しないでください。保険会社に相談し、家族に相談し、

必要であれば複数の業者に意見を聞いてください。

特に、「保険を通せます」と言ってくる業者には注意が必要です。

虚偽申請は犯罪です。あなた自身が罪に問われる可能性があります。

保険が使えなくても、外壁塗装はできます。自己資金、助成金、ローンなど、

他の方法もあります。焦らず、時間をかけて、納得のいく判断をしてください。

高齢のご両親や祖父母が同様の状況にある場合は、必ず家族で情報を共有してください。

「保険が下りなかったから、業者に頼んで何とかしてもらおう」と考える前に、

家族で相談することが、トラブルを防ぐ最善の方法です。


この記事が、一人でも多くの方に届き、外壁塗装で後悔する人が減ることを、心から願っています。

正しい情報をもとに、納得のいく判断をしてください。

そして、不安なときは一人で抱え込まず、必ず誰かに相談してください。

あなたとご家族が、安心して外壁塗装を終えられることを願っています。

コメント

タイトルとURLをコピーしました