結論|見積もりへの違和感は、ほぼ正しい
外壁塗装の見積もりを見て、こう感じたことはありませんか。
「何が書いてあるのか分からない」
「この金額が妥当なのか判断できない」
「業者の説明がどこか曖昧」
その違和感、ほぼ正しいです。
建築会社を経営する立場から言わせてください。
多くの見積もりが「施主にとって不利な作り」になっているのが現実です。
分かりにくい見積もりは、偶然ではありません。
比較されないように、意図的にそう作られているケースが少なくありません。
この記事では、「おかしい見積もり」の特徴と見抜き方を解説します。
比較すれば「おかしさ」が見える
1社だけでは、その見積もりが適正か判断できません。
3社を比較すると、「この業者はおかしい」が見えてきます。
おかしい見積もりの5つの特徴
私が現場で「これは危ない」と判断してきた、典型的なパターンです。
特徴①:「塗装工事一式」としか書かれていない
最も危険なパターンです。
悪い見積もりの例:
外壁塗装工事一式 1,200,000円 足場代 200,000円 諸経費 150,000円 ─────────────────── 合計 1,550,000円
この見積もりでは、どの塗料を使うのか、何回塗るのか、面積の根拠も分かりません。
手抜きされても確認のしようがないのです。
特徴②:塗料のメーカー名・商品名がない
「シリコン塗料使用」だけでは何も分かりません。
シリコン塗料といっても、1缶3,000円のものから30,000円のものまであります。
耐用年数も8年〜15年と幅があります。
「日本ペイント パーフェクトトップ」のように、メーカー名と商品名が明記されているか確認してください。
特徴③:面積の根拠が不明
外壁塗装の費用は「面積×単価」で決まります。
実際の面積は130㎡なのに、見積もりには180㎡と記載。
それだけで数万円〜10万円以上の水増しになります。
「面積の算出根拠を教えてください」と質問してみてください。
特徴④:相場から極端に外れている
一般的な2階建て住宅(延床面積100〜120㎡)の適正価格:
- 下限:80万円前後
- 適正:100〜130万円
- 上限:150万円前後
60万円台なら、工程省略や塗料の水増しの可能性。
200万円超なら、不要な工事や過剰な単価設定の可能性。
特徴⑤:保証内容が曖昧
「当社独自の保証があります」「アフターフォロー万全」
これだけでは意味がありません。
確認すべき内容:
- 保証期間(例:5年)
- 保証範囲(例:塗膜の剥離・膨れ)
- 保証条件(例:定期点検の実施)
- 保証書の発行有無
書面で残らない保証は、トラブル時に役立ちません。
良い見積もりの例
優良業者の見積もりは、このように工程ごとに詳細が記載されています。
【外壁塗装工事】 外壁面積:150㎡ 下塗り(日本ペイント パーフェクトサーフ) 150㎡ × @800円 = 120,000円 中塗り(日本ペイント パーフェクトトップ) 150㎡ × @1,200円 = 180,000円 上塗り(日本ペイント パーフェクトトップ) 150㎡ × @1,200円 = 180,000円 高圧洗浄 150㎡ × @300円 = 45,000円 養生 一式 = 80,000円 ─────────────────── 小計 605,000円 【足場工事】 足場設置・解体 180㎡ × @800円 = 144,000円 メッシュシート 180㎡ × @150円 = 27,000円 ─────────────────── 小計 171,000円 【その他】 産業廃棄物処理費 30,000円 現場管理費 50,000円 ─────────────────── 合計 856,000円
塗料名、面積、単価が明記されているので、内容が分かります。
この見積もりなら、比較も質問もしやすいです。
詳細な見積もりを取るには
一括見積もりサービスなら、複数社から詳細な見積もりが届きます。
比較することで「おかしい業者」が見えてきます。
最低限確認すべき5項目
見積もりを受け取ったら、この5つだけは必ず確認してください。
| 確認項目 | 確認ポイント |
|---|---|
| ①塗料 | メーカー名・商品名が記載されているか |
| ②面積 | ㎡数と算出根拠が示されているか |
| ③工程 | 下塗り・中塗り・上塗りが分けて記載されているか |
| ④工期 | 9〜10日程度の適正な日数か(短すぎは危険) |
| ⑤保証 | 保証期間・範囲・条件が書面で明記されているか |
この5つをクリアしている見積もりなら、まず安心して良いでしょう。
まとめ|違和感を無視しない
外壁塗装の見積もりに「おかしい」と感じたら、それは重要なサインです。
おかしい見積もりの特徴:
- 「一式」としか書かれていない
- 塗料のメーカー名・商品名がない
- 面積の根拠が不明
- 相場から極端に外れている
- 保証内容が曖昧
対処法:
- 複数社の見積もりを比較する
- 5つの確認項目をチェックする
- 納得するまで契約しない
契約書にサインをする前なら、まだ引き返せます。
違和感を無視せず、納得できるまで確認してください。
最後に|家族で共有してください
建築会社を経営してきた立場から、最近特に感じていることがあります。
「おかしい見積もり」を見抜けず、不利な契約をしてしまうのは、高齢の方に多い傾向があります。
専門用語が並ぶ見積もりを前にして、「プロが言うなら大丈夫だろう」と考えてしまう。
細かく聞くのは失礼かもしれない、と遠慮してしまう。
悪質な業者ほど、こうした「一人で判断している高齢者」を狙います。
外壁塗装は高額な工事です。
見積もりを受け取ったら、ご家族で内容を共有してください。
「この見積もり、一式としか書いてないけど大丈夫?」
「塗料のメーカー名が書いてないね」
こうした会話をするだけで、おかしい見積もりは見抜けます。
一人で判断せず、家族や信頼できる人と一緒に確認することが、失敗を防ぐ最大の対策です。
この記事が、あなたとご家族の判断材料の一つになれば幸いです。


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