外壁塗装でよくある質問まとめ|現役経営者が本音で回答

外壁塗装のトラブル

「何から調べればいいか分からない」その不安、よく分かります

結論として、外壁塗装は「築年数」ではなく、

劣化症状・費用の中身・業者の姿勢で判断すれば失敗しにくくなります。

外壁塗装を検討し始めたとき、多くの方が同じ不安を抱えます。

「何から調べればいいのか分からない」

外壁塗装が分かりにくいのは、専門用語が多く、業者によって説明が違い、

そして人生で数回しか経験しないからです。

私は建築会社を経営する立場として、

「外壁塗装について、まず何を知るべきか」という相談を数多く受けてきました。

この記事では、外壁塗装でよくある質問を8つにまとめ、

現場を知る経営者として本音で回答します。

この記事を読めば分かること:

  • 外壁塗装の基本的な疑問
  • 業者選びで迷うポイント
  • よくある不安への回答
  • 判断に迷ったときの考え方

一つひとつの質問に、誠実にお答えします。


Q1:外壁塗装は築10年で必ず必要ですか?

A:必ずではありません。劣化症状と家の状況で判断します

「築10年が塗装の目安」という言葉を聞いたことがある方は多いと思います。

しかし、私の現場経験から言えるのは、

築10年でも塗装が不要な家もあれば、築8年で塗装が必要な家もあるということです。

判断の軸は以下の3つです:

  1. 劣化症状が出ているか
    • チョーキング(手で触ると白い粉が付く)
    • ひび割れ
    • 塗膜の剥がれ
    • カビ・コケの発生
  2. 立地条件
    • 南向きで日当たりが強い家は劣化が早い
    • 海沿いや交通量が多い場所も劣化が早い
    • 北向きで大きな庇がある家は劣化が遅い
  3. 前回使用した塗料のグレード
    • シリコン塗料:耐用年数10〜13年
    • フッ素塗料:耐用年数15〜18年
    • 無機塗料:耐用年数18〜22年

私が実際に診断した中では、築12年でもまだ塗装が不要な家もあれば、

築8年で塗装が必要な家もありました。

大切なのは、築年数だけで判断せず、実際の劣化状況を見ることです。

外壁塗装が本当に必要かどうかの判断については、

今すぐ必要かの判断軸は、こちらで整理しています。


Q2:ひび割れや白い粉が出ていたら危険ですか?

A:症状の種類によって緊急性が全く違います

外壁の劣化症状は、種類によって緊急性が大きく異なります。

ひび割れの場合:

  • ヘアクラック(幅0.3mm以下の細いひび割れ)
    • 緊急性:低〜中
    • 対処時期:1〜2年以内に検討すれば良いケースが多い
  • 構造クラック(幅0.3mm以上の幅広いひび割れ)
    • 緊急性:高
    • 対処時期:できるだけ早く専門家に診てもらう

チョーキング(白い粉が出る)の場合:

  • 緊急性:中
  • 対処時期:1〜2年以内に塗装を検討
  • 塗膜の防水機能が低下しているサインですが、すぐに大きな問題になることは少ない

カビ・コケの場合:

  • 緊急性:低〜中
  • 対処時期:1〜3年以内に塗装を検討
  • 美観の問題が主で、構造的な問題に直結することは少ない

私の経験上、一般の方が最も誤解しやすいのは「どの症状も同じ」と考えることです。

実際には、症状によって緊急性が全く違います。

そして、複数の症状が同時に出ている場合は、早めに対処した方が良いサインです。

症状ごとの緊急性は、この記事で一覧化しています。


Q3:無料点検や訪問営業は信用して大丈夫ですか?

A:仕組み自体は問題ありませんが、その後の営業に注意が必要です

無料点検や訪問営業そのものは、違法ではありません。

多くの建築・リフォーム会社が行っている営業手法の一つです。

問題は、その後の営業の仕方です。

注意すべき営業の特徴:

  1. 不安を煽る
    • 「今すぐ工事しないと危険」
    • 「このままだと家が崩れる」
  2. その場で契約を迫る
    • 「今日契約すれば値引き」
    • 「今日中に返事がほしい」
  3. 他社と比較させない
    • 「他社に見せる必要はない」
    • 「うちが一番安い」
  4. 大幅な値引きを強調する
    • 「通常200万円が、今日なら120万円」

私が相談を受けるケースの多くは、

「訪問営業で契約したが、後から不安になった」というものです。

冷静に考えるポイント:

  • 本当に緊急性が高いなら、複数の業者も同じことを言うはず
  • その場で契約せず、家族に相談する時間を取る
  • 必ず複数社の意見を聞いて比較する

無料点検で不安になったときの“見極め方”は、こちらでまとめています。


Q4:外壁塗装の費用はどれくらいが相場ですか?

A:坪数・塗料・地域で幅がありますが、30坪なら85〜115万円が目安です

外壁塗装の費用は、いくつかの要素で変わります。

費用を決める主な要素:

  1. 建物の大きさ(坪数)
    • 20坪:60〜85万円
    • 30坪:85〜115万円
    • 40坪:105〜140万円
  2. 塗料のグレード
    • ウレタン:安い、耐用年数6〜8年
    • シリコン:標準、耐用年数10〜13年
    • フッ素:高い、耐用年数15〜18年
    • 無機:最高級、耐用年数18〜22年
  3. 外壁の状態
    • 下地補修が必要な場合、費用が増える
    • ひび割れやシーリングの劣化が多いと追加費用
  4. 地域差
    • 都市部は高め、地方は安め

私の経験上、一般的な30坪の2階建て住宅で、シリコン塗料を使用する場合、

85〜115万円が適正価格の範囲です。

これより極端に安い場合は、工程や使用材料が省略されていないか、

内容を丁寧に確認した方が安心です。

逆に、150万円を超える場合は、

なぜその金額になるのか(面積・補修範囲・足場・付帯部など)を

一度整理してもらうと判断しやすいです。

※足場・高圧洗浄・下地補修の量・付帯部(雨樋や破風)の範囲で前後します。

 見積りは「何が含まれているか」で比較してください。

相場の内訳(何にお金がかかるか)は、こちらで整理しています。


Q5:相見積もりは失礼になりませんか?

A:まったく失礼ではありません。むしろ当たり前です

「複数の業者に見積もりを取るのは失礼では?」と心配される方がいますが、

相見積もりは全く失礼ではありません。

むしろ、外壁塗装のような高額な工事では、相見積もりを取るのが当たり前です。

優良業者の反応:

「もちろん、他社とも比較して納得してから決めてください」

「じっくり検討してください」

「分からないことがあれば、いつでも連絡ください」

このように、相見積もりを嫌がらないのが優良業者の特徴です。

要注意な業者の反応:

「他社に見せる必要はありません」

「うちが一番安いので、他社を見ても時間の無駄です」

「今日決めてくれないと、この価格は保証できません」

相見積もりを嫌がる業者は、自分たちの見積もりや説明に自信がないか、

何か隠したいことがある可能性があります。

私の推奨:

最低3社から見積もりを取ることをおすすめします。3社の見積もりを比較すれば、

  • 価格の相場が分かる
  • 見積書の詳細さの違いが分かる
  • 業者の対応の質が比較できる

相見積もりは、失敗を防ぐための最も確実な方法です。

見積書の具体的なチェックポイントは、
外壁塗装の見積書の見方で詳しく解説しています。


Q6:塗料は高いものを選んだ方がいいですか?

A:耐用年数と、家に何年住むかで判断すべきです

「高い塗料=良い」とは限りません。

大切なのは、あなたの家の状況に合った塗料を選ぶことです。

塗料選びのポイント:

  1. 今後何年住む予定か
    • 10年以内に売却予定:シリコンで十分
    • 20年以上住む予定:フッ素や無機を検討
    • 終の棲家:無機塗料も選択肢
  2. 前回の塗装から何年経っているか
    • 築浅(5〜10年):高級塗料は過剰かも
    • 築古(15年以上):下地の状態次第
  3. 予算
    • 無理に高級塗料を選ぶ必要はない
    • シリコンでも十分な性能がある

私が実際に相談を受けたケースでは、「無機塗料(160万円)を選んだが、

8年後に転勤で家を売却。耐用年数20年の恩恵をほとんど受けられなかった」という方がいました。

逆に、「シリコン塗料(100万円)を選び、12年経っても問題なし。

長期的にはこちらの方がお得だった」という方もいます。

迷ったら、シリコン塗料を選ぶのが無難です。

シリコンは、価格と性能のバランスが最も良く、多くの家に適しています。

塗料の違い(耐用年数・選び方)は、こちらで比較しています。


Q7:どんな業者を選べば失敗しにくいですか?

A:営業トークより、質問への答え方や姿勢を見てください

業者選びで最も重要なのは、営業トークの上手さではなく、誠実さと技術力です。

優良業者を見抜くポイント:

  1. 質問に明確に答えるか
    • 分からないことは「調べて後日お答えします」と正直に言う
    • 専門用語を分かりやすく説明する
    • 質問を嫌がらない
  2. 見積書が詳細か
    • 塗料のメーカー名・商品名が記載されている
    • 下塗り・中塗り・上塗りが分けて記載されている
    • 塗装面積と単価が明記されている
  3. 契約を急かさないか
    • 「じっくり検討してください」と言う
    • 他社と比較することを勧める
    • 「今日決めないと」という圧力をかけない
  4. 写真や資料で説明するか
    • 劣化箇所の写真を撮って見せる
    • 数値で説明する(ひび割れの幅など)
    • 口頭だけでなく、視覚的に分かるようにする

私の経験上、説明が丁寧な業者ほど、施工も丁寧です。

なぜなら、自分の仕事に自信があるから説明できるし、

施主に理解してもらおうという誠意があるからです。

逆に、説明を濁す業者や、質問を嫌がる業者は、

何か隠したいことがあるか、知識が不足している可能性が高いです。

業者選びのチェック項目は、こちらにまとめています。


Q8:外壁塗装で一番多い後悔は何ですか?

A:「急いで決めたこと」と「比較しなかったこと」です

私が相談を受ける中で、最も多い後悔は以下の2つです。

後悔①:急いで決めてしまった

典型的なパターン:

  • 訪問営業で「今日契約すれば値引き」と言われ、その場で契約
  • 後から調べたら、相場より高かった
  • 他の業者に診てもらったら、「まだ塗装は不要」と言われた

なぜ急いで決めると後悔するのか:

  • 冷静な判断ができない
  • 他社と比較できない
  • 相場を知らないまま契約してしまう

私からのアドバイス:

どんなに良い説明でも、その場で契約しないでください。

1〜2週間考える時間は、ほとんどの場合あります。

その時間を使って、複数の業者に相談し、家族と話し合ってください。

後悔②:比較しなかった

典型的なパターン:

  • 1社だけで決めた
  • 後から他社の見積もりを見たら、30〜50万円安かった
  • 施工が終わってから「手抜きだったのでは」と不安になった

なぜ比較しないと後悔するのか:

  • その業者の説明が適切かどうか判断できない
  • 価格が高いのか安いのか分からない
  • 業者の質を比較できない

私からのアドバイス:

可能なら3社程度で比較すると、判断の精度が上がります。

3社の見積もりを並べると、

  • どの業者の見積書が詳細か分かる
  • どの業者の対応が丁寧か分かる
  • 価格の相場が分かる

比較することで、後悔のリスクが大幅に減ります。

実際に多いトラブル例は、こちらで具体的に紹介しています。


まとめ|分かりにくいからこそ、知識が大切

外壁塗装は、専門用語が多く、業者によって説明が違い、

そして人生で数回しか経験しないため、分かりにくいのが当然です。

しかし、知っていれば防げる失敗が多いのも事実です。

この記事で解説した8つの質問を振り返ります:

  1. 築10年で必ず必要か → ケースによる
  2. ひび割れや白い粉は危険か → 症状の種類で緊急性が違う
  3. 無料点検は信用できるか → 営業の仕方に注意
  4. 費用の相場は → 30坪なら85〜115万円
  5. 相見積もりは失礼か → 全く失礼ではない
  6. 高い塗料を選ぶべきか → 家の状況次第
  7. どんな業者を選ぶか → 営業トークより姿勢を見る
  8. 一番多い後悔は → 急いで決めたこと、比較しなかったこと

大切なのは、焦らず、比較し、家族に相談することです。

判断に迷ったら、この記事で紹介した関連記事を読み直してみてください。

  • 外壁塗装が本当に必要かどうか
  • 劣化症状の種類と緊急性
  • 訪問営業や無料点検の注意点

これらの情報が、あなたの判断を助けてくれるはずです。


最後に|この記事が、あなたの「最初の地図」になれば

外壁塗装で不安を感じるのは、自然なことです。

専門知識がなく、高額な買い物で、そして業者の説明が分かりにくい。

この状況で不安にならない方がおかしいです。

この記事が、あなたの「最初の地図」になれば嬉しいです。

そして、お願いがあります。

この情報を、一人で抱え込まず、家族や身近な人と共有してください。

特に、高齢のご家族がいる場合は、以下のことを伝えておいてください。

「外壁塗装の話が来たら、まず相談してね」

「業者の話をそのまま信じず、一度家族に連絡してね」

「急いで決める必要はないから、一緒に考えよう」

高齢の方は、業者の説明を断りにくかったり、「専門家が言うなら」と信じてしまいやすい傾向があります。

だからこそ、家族で情報を共有し、相談できる環境を作ることが大切です。

正しい情報を共有することが、家と家族を守ることにつながります。

私も、建築会社を経営する立場として、業界全体がより誠実で透明性の高いものになるよう、

これからも情報を発信し続けます。

もしご家族(特にご両親・祖父母)が点検や見積もりを受けるときは、

契約前に写真と見積書を一度共有してもらうだけでも、判断ミスはかなり減ります。

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