後悔の9割は「確認不足」から起きている
外壁塗装の工事が終わってから、「こんなはずじゃなかった」と後悔する方は少なくありません。
私は建築会社の経営者として、これまで何百件以上もの外壁塗装工事に携わってきましたが、
同時に「他社で施工した後に相談に来られる方」も数多く見てきました。
その経験から断言できるのは、工事後の後悔のほとんどは「確認不足」から生まれているということです。
- 見積書の内容をよく確認しないまま契約してしまった
- 工事中の様子を一度も確認しなかった
- 完了時に仕上がりをチェックせずに引き渡しを受けた
- 家族に相談せず、一人で決めてしまった
こうした「確認しなかったこと」が、後になって大きな後悔につながります。
この記事では、外壁塗装で後悔しないために、
契約前・工事中・工事完了時のそれぞれのタイミングで何を確認すべきか、
現場で実際に起きたトラブル事例を交えながら解説していきます。
特に、ご両親や祖父母が外壁塗装を検討している場合は、ぜひこの記事を一緒に読んでいただき、家族で情報を共有してください。
一人で判断して後悔するケースを、私は何度も見てきました。
結論|後悔を防ぐために確認すべき3つのタイミング
まず結論から申し上げます。
外壁塗装で後悔しないためには、以下の3つのタイミングで「確認」を徹底することが重要です。
① 契約前に確認すべきこと
- 見積書の内容(項目・塗料名・面積)
- 業者の説明姿勢
- 過去の施工実績
- 契約書の内容(追加費用の有無など)
- 家族への相談・共有
② 工事中に確認すべきこと
- 作業の進捗状況
- 使用している塗料が見積もり通りか
- 下地処理が丁寧に行われているか
- 職人の対応・現場の整理整頓
③ 工事完了・引き渡し時に確認すべきこと
- 塗り残しや色ムラがないか
- 付帯部(雨樋・破風など)も塗られているか
- 汚れや傷がついていないか
- 保証内容の最終確認
これらを一つずつ丁寧に確認することで、
工事後に「こんなはずじゃなかった」という後悔を大幅に減らすことができます。
実際にあった「工事後に後悔した」相談事例
具体的なイメージを持っていただくために、私が実際に受けた相談事例をいくつかご紹介します。
事例①:塗料が見積もりと違った
70代の男性からの相談でした。
「見積書にはシリコン塗料と書いてあったのに、工事後に缶を見たら安価なウレタン塗料だった。業者に問い合わせたら『同等品です』と言われたが納得できない」という内容でした。
この方は、工事中に現場を一度も見に行かず、完了後も塗料の缶を確認していませんでした。
後から気づいても、すでに足場は撤去されており、証拠も残っていません。
結局、泣き寝入りせざるを得ない状況でした。
事例②:追加費用を後から請求された
「見積もりでは120万円だったのに、
工事後に『雨樋の補修が必要だった』として30万円を追加請求された」というケースです。
確かに、工事を始めてみないと分からない劣化もあります。
ただ、この場合は事前の現地調査が不十分だったこと、
そして追加工事の説明と同意を得ずに進めてしまったことが問題でした。
契約時に「追加費用が発生する場合は事前に連絡する」という取り決めをしていれば、
防げたトラブルです。
事例③:仕上がりに色ムラがあった
「工事が終わって足場を外したら、壁の一部に塗りムラがあった。
業者に連絡したが『そういう仕様です』と言われた」という相談もありました。
この方は、引き渡し時に仕上がりを確認せず、
業者の「終わりました」という報告だけで了承してしまったそうです。
後から指摘しても「その時言ってくれれば直せたのに」と言われ、対応してもらえませんでした。
事例④:高齢の母が高額契約をしていた
「80代の母が一人暮らしをしているが、訪問営業で200万円以上の外壁塗装契約をしていた。
見積書を見せてもらったら、不要な工事が大量に含まれていた」というご家族からの相談です。
お母様は「業者の人が親切だったから」「今やらないと家が傷むと言われたから」と、
即日契約してしまったそうです。家族に相談していれば防げたケースでした。
こうした事例は、決して珍しいものではありません。どれも「確認していれば防げた」後悔です。
① 契約前に確認すべきこと
それでは、具体的にどのタイミングで何を確認すればいいのか、順番に見ていきましょう。
見積書の内容を細かくチェックする
見積書は、契約前に最も重要な判断材料です。以下のポイントを必ず確認してください。
項目が具体的に書かれているか
「外壁塗装一式 ○○万円」といった曖昧な書き方ではなく、以下のような項目が分かれているかを見ます。
- 足場工事(㎡単価と面積)
- 高圧洗浄
- 下地補修(ひび割れ・シーリング)
- 下塗り・中塗り・上塗り
- 使用塗料のメーカー名・商品名
- 付帯部塗装(雨樋・破風・軒天など)
項目が細かく分かれていれば、「何にいくらかかっているのか」が分かります。
逆に「一式」ばかりの見積書は、後から「これは含まれていません」と言われるリスクがあります。
塗料のメーカー名・商品名が明記されているか
「シリコン塗料」とだけ書かれていて、具体的なメーカー名や商品名がない見積書は要注意です。同じシリコン塗料でも、品質や価格は大きく異なります。
「日本ペイント ファインシリコンフレッシュ」のように、具体的な商品名が書かれていれば、
自分でネットで調べることもできますし、他社と比較もしやすくなります。
面積や数量が記載されているか
「足場一式」ではなく「足場 150㎡ @800円」のように、
面積や数量が書かれているかも重要です。これがないと、適正な金額なのか判断できません。
見積書の見方については、別の記事で詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてください。
複数の業者を比較する
1社だけの見積もりで決めるのは、非常にリスクが高いです。
私の経験上、最低でも3社から見積もりを取ることをおすすめします。
比較することで見えてくるのは、金額だけではありません。
- 見積書の丁寧さ
- 説明の分かりやすさ
- 質問への対応
- 提案内容の違い
こうした「姿勢の違い」が、業者の信頼性を判断する材料になります。
また、金額に差が出たときに「なぜこの金額なのか」を説明できる業者かどうかも重要です。
「うちはこれが標準です」と一点張りの業者よりも、
「A社より高いのは、下地補修を丁寧にやるからです」と
理由を説明してくれる業者の方が信頼できます。
外壁塗装の費用差については、こちらの記事で詳しく解説しています。
→👉外壁塗装の費用が高くなる家・安く済む家の違い|現役経営者が解説
複数社の見積もりを効率的に集めたい場合は、
一括見積もりサービスを「比較材料の一つ」として活用する方法もあります。
ただし、これはあくまで選択肢の一つであり、
地域の信頼できる業者に直接問い合わせる方が安心という方もいます。
ご自身に合った方法を選んでください。
比較の入口として一括見積もりサービスを使う方法もあります。
→ 【比較サービスを見てみる】
「安さ」だけで決めない
見積もりを比較すると、どうしても「一番安い業者」に目が行きがちです。
しかし、安さだけで選ぶのは危険です。
安い見積もりには、安い理由があります。
- 必要な工程が省かれている
- 安価な塗料を使っている
- 下地補修が含まれていない
- 職人の技術力が低い
もちろん、企業努力で適正価格を実現している優良業者もいます。
大切なのは、「なぜ安いのか」を確認することです。
理由を説明できない業者は、避けた方が無難です。
業者の説明姿勢を見る
見積書を受け取ったとき、以下のような質問をしてみてください。
- 「この塗料を選んだ理由は何ですか?」
- 「下地補修はどの程度必要ですか?」
- 「工期はどれくらいですか?」
- 「追加費用が発生する可能性はありますか?」
こうした質問に対して、誠実に答えてくれる業者は信頼できます。
逆に、質問をはぐらかしたり、「とにかく安いから」としか言わなかったりする業者は、
注意が必要です。
契約書の内容を確認する
契約書には、以下の項目が明記されているか必ず確認してください。
- 工事内容(使用塗料・施工範囲)
- 工事金額と支払い条件
- 工期
- 追加費用の取り扱い
- 保証内容(年数・範囲)
- キャンセル規定
特に重要なのは「追加費用の取り扱い」です。
「追加工事が必要になった場合は、事前に見積もりを提示し、
承諾を得てから施工する」といった文言があれば、後から一方的に請求される心配が減ります。
家族に相談する
これは最も大切なポイントです。
外壁塗装は高額な買い物です。一人で判断せず、必ず家族に相談してください。
配偶者、子ども、兄弟姉妹、誰でも構いません。
見積書を見せて「どう思う?」と聞くだけでも、冷静な視点が加わります。
特に高齢の方が契約を検討している場合は、家族が必ず一緒に確認してあげてください。
訪問営業で即日契約してしまったり、
不要な工事まで含まれた高額契約を結んでしまったりするケースは、本当に多いのです。
「迷惑をかけたくない」と一人で決めてしまう方もいますが、
後で大きなトラブルになる方がよほど家族に迷惑がかかります。
契約前に必ず家族で情報共有することを、強くお勧めします。
② 工事中に確認すべきこと
契約を結び、工事が始まったら、「業者に任せておけば大丈夫」と思いがちです。
しかし、工事中の確認も非常に重要です。
定期的に現場を見に行く
可能であれば、工事中に何度か現場を見に行ってください。
毎日である必要はありませんが、以下のタイミングでは確認することをおすすめします。
- 足場が組まれたとき
- 高圧洗浄が終わったとき
- 下塗りが終わったとき
- 中塗り・上塗りが終わったとき
現場を見ることで、作業が丁寧に行われているか、予定通り進んでいるかが分かります。
使用している塗料を確認する
工事中に現場を訪れたら、使用している塗料の缶を見せてもらってください。
見積書に書かれていた塗料と同じものが使われているか、その場で確認できます。
「見せてください」と言いにくい方もいるかもしれませんが、
きちんとした業者であれば快く見せてくれます。
むしろ、嫌がる業者は何か後ろめたいことがあるのかもしれません。
下地処理が丁寧に行われているか
外壁塗装で最も重要なのは、実は「塗り」ではなく「下地処理」です。
ひび割れの補修、古い塗膜の除去、高圧洗浄がしっかり行われていないと、
どんなに良い塗料を使っても長持ちしません。
下地処理は足場がある状態でしか確認できません。
工事が終わってからでは遅いので、できれば途中で確認することをおすすめします。
職人の対応や現場の整理整頓を見る
現場を訪れたときに、以下のような点も観察してみてください。
- 職人が挨拶をしてくれるか
- 質問に丁寧に答えてくれるか
- 現場が整理整頓されているか
- 近隣への配慮があるか
こうした細かい点が、仕事の丁寧さにつながっていることが多いです。
気になることは遠慮せず質問する
「こんなこと聞いたら失礼かな」と思わず、気になることは何でも質問してください。
- 「この部分、塗り残しがあるように見えるのですが」
- 「この色、見本と少し違うように感じるのですが」
- 「この作業は何をしているのですか?」
誠実な業者であれば、どんな質問にも丁寧に答えてくれます。
質問を嫌がったり、適当な返事をしたりする業者は、信頼性に疑問符がつきます。
③ 工事完了・引き渡し時に確認すべきこと
工事が完了し、足場が外されたら、必ず仕上がりを確認してから引き渡しを受けてください。
ここでの確認を怠ると、後から「塗り残しがあった」「色ムラがあった」と気づいても、
対応してもらえない可能性があります。
全体をぐるりと見て回る
足場が外れたら、家の周りを一周して、全体の仕上がりを確認してください。
- 塗り残しがないか
- 色ムラがないか
- 塗料の垂れがないか
- 汚れや傷がついていないか
晴れた日の自然光の下で見ると、細かい不具合にも気づきやすくなります。
付帯部も忘れずにチェック
雨樋、破風、軒天、雨戸など、付帯部もきちんと塗られているか確認してください。
見積書に含まれていたはずなのに、塗られていなかったというトラブルは意外と多いのです。
気になる箇所は写真を撮る
もし気になる箇所があれば、その場で写真を撮っておいてください。
後から「ここが気になる」と言っても、「最初からそうでした」と言われる可能性があります。
写真があれば、証拠として残ります。
指摘した箇所は必ず直してもらう
塗り残しや色ムラなど、明らかな不具合があった場合は、遠慮せず指摘してください。
引き渡し前であれば、業者も対応してくれるはずです。
「こんなこと言ったら悪いかな」と思って我慢すると、後で後悔します。
お金を払っている以上、きちんとした仕上がりを求めるのは当然の権利です。
保証内容を最終確認する
引き渡しの際に、保証書を受け取ってください。以下の内容が明記されているか確認します。
- 保証期間(何年間か)
- 保証範囲(どこまでが保証対象か)
- 保証の条件(定期点検が必要か、など)
- 連絡先
保証書がない、または内容が曖昧な場合は、後でトラブルになる可能性があります。
必ず書面で受け取り、大切に保管してください。
支払いは確認後に
支払いは、すべての確認が終わってから行ってください。
先に全額支払ってしまうと、後から不具合を見つけても対応してもらえないことがあります。
一般的には、着手金(工事前)、中間金(工事中)、残金(完了後)という形で
分割払いにすることが多いです。
残金の支払いは、仕上がりを確認し、納得してから行いましょう。
「外壁塗装は本当に必要か」を事前に判断することも大切
ここまで、工事後に後悔しないためのチェックポイントを解説してきましたが、
そもそも「今、外壁塗装をすべきなのか」という判断も重要です。
訪問営業で「すぐにやらないと家が傷む」と言われて焦って契約したものの、
実際にはまだ数年は大丈夫だった、というケースもあります。
外壁塗装の必要性を判断する基準については、
別の記事で詳しく解説していますので、参考にしてください。
よくある質問と回答
外壁塗装に関して、よくある質問をいくつかご紹介します。
Q. 見積もりは何社取ればいいですか?
A. 最低でも3社は取ることをおすすめします。2社だけだと比較しにくく、1社だけでは適正価格か判断できません。
Q. 工事中、家にいなくても大丈夫ですか?
A. 基本的には大丈夫ですが、可能であれば時々様子を見に行くことをおすすめします。留守中に何かあったときのために、連絡先は必ず伝えておいてください。
Q. 追加費用を請求されたら、払わなければいけませんか?
A. 事前に説明と同意がなければ、払う義務はありません。ただし、本当に必要な補修であれば、話し合って決めることも大切です。
Q. 保証期間中に不具合が出たら、無料で直してもらえますか?
A. 保証書に記載された内容によります。施工不良であれば無料対応が一般的ですが、使用方法や自然災害による劣化は対象外のこともあります。
こうした疑問については、よくある質問をまとめた記事もありますので、そちらも参考にしてみてください。
まとめ|後悔しないための3つの確認タイミング
外壁塗装で後悔しないためには、以下の3つのタイミングで「確認」を徹底することが大切です。
契約前の確認
- 見積書の内容(項目・塗料名・面積)
- 複数業者の比較
- 業者の説明姿勢
- 契約書の内容
- 家族への相談
工事中の確認
- 定期的な現場訪問
- 使用塗料の確認
- 下地処理の状態
- 職人の対応
引き渡し時の確認
- 全体の仕上がり
- 付帯部の塗装
- 気になる箇所の指摘
- 保証内容の確認
これらを一つずつ丁寧に行うことで、「こんなはずじゃなかった」という後悔を防ぐことができます。
最後に|この記事が一人でも多くの方に届くことを願って
外壁塗装は、人生で何度も経験するものではありません。
だからこそ、分からないことがあって当然ですし、不安になるのも自然なことです。
私がこの記事を書いたのは、「確認さえしていれば防げた後悔」を数多く見てきたからです。
- 見積書をよく読まずに契約してしまった
- 工事中に一度も現場を見なかった
- 引き渡し時に仕上がりを確認しなかった
- 家族に相談せず、一人で決めてしまった
こうした「確認不足」が、後で大きな後悔につながります。
外壁塗装は、一人で判断しなくていいのです。
見積書を見て迷ったら、家族に見せてください。
工事中に気になることがあったら、遠慮せず質問してください。
引き渡し時に違和感があったら、その場で伝えてください。
特に、ご両親や祖父母が外壁塗装を検討している場合は、
ぜひこの記事を一緒に読んでいただき、家族で情報を共有してください。
高齢の方は、業者の言葉を信じやすく、
また「家族に迷惑をかけたくない」と一人で決めてしまうことがあります。
しかし、後で大きなトラブルになる方が、よほど家族に心配をかけます。
契約前に必ず相談してもらうこと。
見積書を一緒に確認すること。
たったそれだけのことが、後悔を防ぎ、家と家族を守ることにつながります。
この記事が、一人でも多くの方に届き、外壁塗装で後悔する人が減ることを、心から願っています。
正しい情報をもとに、納得のいく判断をしてください。そして、不安なときは一人で抱え込まず、必ず誰かに相談してください。
あなたとご家族が、安心して外壁塗装を終えられることを願っています。


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