外壁塗装の足場は本当に必要?費用を削る危険性

外壁塗装のトラブル
  1. 導入|足場代が高いと感じる気持ちは、よく分かります
  2. なぜ外壁塗装に足場が必要なのか
    1. ① 職人の安全を確保するため
    2. ② 塗装品質を確保するため
    3. ③ 近隣への配慮(飛散防止)
    4. ④ 法令・労災リスクを避けるため
  3. ここまでのまとめ
  4. 足場を削ると起きやすいトラブル
    1. トラブル①:塗りムラ・塗膜不足
    2. トラブル②:三度塗りが実質できない
    3. トラブル③:転落事故・労災
    4. トラブル④:近隣クレーム
    5. トラブル⑤:手抜き工事の温床
  5. 「足場なしでできる」と言われた場合の考え方
    1. 確認①:本当に一部作業だけなのか
    2. 確認②:高所作業車・脚立対応の限界
    3. 確認③:全面塗装で足場なしはほぼNG
  6. 例外的に足場が不要・簡易で済むケース
    1. 例外①:平屋の部分補修
    2. 例外②:屋内作業のみ
    3. 例外③:外壁の一部補修
    4. 例外④:低所の付帯部のみ
  7. 足場費用の相場と注意点
    1. 足場費用の相場
    2. 「足場一式」表記の危険性
    3. 不当に高い・安い見積もりの見抜き方
    4. 相見積もりの重要性
  8. 「足場代を削る」より、削るべきポイント
    1. 調整ポイント①:塗料グレードの調整
    2. 調整ポイント②:外壁と屋根を別々にする
    3. 調整ポイント③:不要なオプションの削除
    4. 調整ポイント④:業者を変える
  9. よくある質問
    1. Q. 足場代は交渉できますか?
    2. Q. 足場だけ別の業者に頼むことはできますか?
    3. Q. 足場代は火災保険や助成金の対象になりますか?
    4. Q. 足場を自分で用意することはできますか?
    5. Q. 「足場代無料」と言う業者は信用できますか?
  10. まとめ|足場は「品質と安全への投資」
    1. 足場が必要な理由
    2. 足場を削ると起きるトラブル
    3. 例外的に足場が不要なケース
    4. 足場費用の相場
    5. 予算調整のポイント
  11. 最後に|削ると後悔する可能性が高い

導入|足場代が高いと感じる気持ちは、よく分かります

外壁塗装の見積もりを受け取って、「足場代だけで20万円?」と驚かれる方は少なくありません。

  • 工事が終われば撤去されるもの
  • 形として残らないもの
  • 目に見える効果がないもの

こうしたものに20万円も払うのは、「もったいない」と感じるのは自然なことです。

私は建築会社の経営者として、これまで何百件もの外壁塗装工事に携わってきましたが、

「足場代を削れませんか?」「足場なしで安くできませんか?」

という相談を何度も受けてきました。

また、訪問営業で「足場なしで安くできます」と言われて不安になっている方からの相談も数多く受けています。

結論から申し上げます。

外壁塗装の足場は、原則として「必須」です。

足場代を削ることは、費用削減ではありません。

仕上がり・耐久性・安全性を犠牲にするリスク行為です。

ただし、この記事では以下の両面も正直にお伝えします。

  • 例外的に足場が不要なケースもある
  • 足場代が「不当に高い」ケースもある

この記事を読めば、

「本当に足場は必要なのか」「この足場代は適正なのか」を、

あなた自身が判断できるようになります。


なぜ外壁塗装に足場が必要なのか

足場が必要な理由は、大きく4つあります。

① 職人の安全を確保するため

二階建ての住宅でも、高さは6〜8メートルあります。

足場がない場合:

  • 脚立やはしごからの転落リスク
  • バランスを取りながらの作業で集中力が低下
  • 疲労が蓄積し、事故の可能性が高まる

足場がある場合:

  • 両手を使って安全に作業できる
  • 職人が安定した姿勢で作業できる
  • 転落リスクが大幅に減る

労働安全衛生法の規定

高さ2メートル以上の作業では、足場の設置が義務付けられています(一部例外を除く)

足場、または同等の墜落防止措置が求められており、

何の安全対策もなく作業させることは法令違反となる可能性があります。

万が一、職人が転落して怪我をした場合、施主にも責任が及ぶ可能性があります。

② 塗装品質を確保するため

足場がないと、塗装の品質が大きく低下します。

品質が下がる理由:

塗りムラが発生しやすい

  • 脚立で作業すると安定しない
  • ローラーを均一に動かせない
  • 結果として色ムラが出る

塗膜の厚さが不均一になる

  • 適切な塗膜厚を保てない
  • 薄い部分は数年で剥がれる
  • 塗装が長持ちしない

三度塗りが実質できない

  • 脚立の移動に時間がかかる
  • 丁寧な三度塗りが困難
  • 二度塗りで済ませるリスク

細かい部分が塗れない

  • 軒天、破風板、雨樋が塗り残される
  • そこから劣化が進む

③ 近隣への配慮(飛散防止)

足場には飛散防止ネット(メッシュシート)が必須です。

ネットがない場合のリスク:

  • 隣家の外壁や車に塗料が飛ぶ
  • 洗濯物に塗料が付く
  • 通行人に塗料がかかる

こうしたトラブルが発生すると、損害賠償や近隣トラブルに発展します。

足場と飛散防止ネットは、近隣への最低限のマナーです。

④ 法令・労災リスクを避けるため

足場なしで作業させる業者は、法令を無視しています。

こうした業者は、他の部分でも手抜きをしている可能性が高いです。

また、万が一職人が転落して怪我をした場合、

違法な作業での事故は労災保険が下りない可能性があります。


ここまでのまとめ

足場が必要な理由:

  • 職人の安全確保(法令で義務化)
  • 塗装品質の確保(ムラ・厚さ・耐久性)
  • 近隣への配慮(飛散防止)
  • 法令・労災リスクの回避

足場は「あった方がいい」ものではなく、「なければ工事ができない」ものです。


足場を削ると起きやすいトラブル

足場を削って工事をすると、以下のようなトラブルが起きやすくなります。

ここを理解しておかないと、
「安く見えた工事」が後悔に変わります。

トラブル①:塗りムラ・塗膜不足

完成直後は問題なく見えても:

  • 数年で塗膜が剥がれる
  • 色ムラが目立つ
  • 塗装が長持ちしない

「足場代20万円を削った」と思っても、5年後に再塗装が必要になれば、結局は高くつきます。

トラブル②:三度塗りが実質できない

外壁塗装は「下塗り・中塗り・上塗り」の三度塗りが基本です。

足場がないと:

  • 脚立の移動に時間がかかる
  • 三度塗りを丁寧に行えない
  • 実質二度塗りで済ませる

結果として、塗装の持ちは確実に短くなります。

トラブル③:転落事故・労災

足場がない状態での作業は、転落事故のリスクが高まります。

万が一、職人が転落して怪我をした場合:

  • 工事が中断される
  • 施主にも責任が及ぶ可能性
  • 損害賠償を求められる可能性

「足場代を削った」ことで、結果的に大きな損失を被ることがあります。

トラブル④:近隣クレーム

飛散防止ネットがないと、塗料が近隣に飛散します。

実際のトラブル例:

  • 隣家の車に塗料が付いた → 数十万円の損害賠償
  • 隣家の外壁に塗料が付いた → 清掃費用の請求
  • 通行人に塗料がかかった → 大きなトラブルに

こうしたトラブルは、足場代より高くつくことがあります。

トラブル⑤:手抜き工事の温床

足場を削る業者は、他の部分でも手抜きをしている可能性が高いです。

よくあるケース:

  • 下地補修を省略する
  • 高圧洗浄を適当に済ませる
  • 安価な塗料を使う
  • 乾燥時間を守らない

「足場代を削る」という提案自体が、手抜き工事の赤信号です。


「足場なしでできる」と言われた場合の考え方

業者から「足場なしで安くできます」と言われたら、以下を確認してください。

確認①:本当に一部作業だけなのか

足場なしで対応できるのは、ごく限られた範囲です。

足場なしで可能な作業

  • 一階部分のみの部分補修
  • ベランダの手すりなど低所の塗装
  • 外壁の一部分だけの補修

足場が必要な作業

  • 二階建て以上の全面塗装
  • 屋根塗装
  • 軒天・破風板など高所の付帯部塗装

「全面塗装を足場なしでできます」と言う業者は、避けた方が無難です。

確認②:高所作業車・脚立対応の限界

一部の業者は、「高所作業車を使えば足場は不要」と言うことがあります。

高所作業車の限界

  • 細かい部分が塗りにくい
  • 安定しないため品質が下がる
  • 隣家との距離が近い場合は使えない
  • 費用が意外と高い(足場より安くならないことも)

高所作業車は、あくまで「足場の補助」であり、足場の代わりにはなりません。

確認③:全面塗装で足場なしはほぼNG

二階建て以上の家の全面塗装を、足場なしで行うことはほぼ不可能です。

もし「全面塗装を足場なしでできます」と言う業者がいたら、以下を疑ってください。

  • 実際には塗っていない箇所がある
  • 塗装が雑になる
  • 手抜き工事の可能性が高い

例外的に足場が不要・簡易で済むケース

すべてのケースで足場が必須というわけではありません。例外もあります。

例外①:平屋の部分補修

平屋の場合、高さが低いため、脚立で対応できることもあります。

条件:

  • 補修範囲が狭い
  • 全面塗装ではない
  • 軒天や破風板など高所部分は含まない

例外②:屋内作業のみ

屋内の壁や天井の塗装であれば、足場は不要です。脚立や室内用の足場で対応できます。

例外③:外壁の一部補修

外壁の一部分だけをひび割れ補修する、塗り直すといった場合、足場が不要なこともあります。

ただし、二階部分に及ぶ場合は、やはり足場が必要です。

例外④:低所の付帯部のみ

雨樋の一部、玄関周りの塗装など、低所の付帯部のみであれば、

足場なしで対応できることもあります。


こうした例外を知っておくことで、業者の提案が妥当かどうかを判断できます。


足場費用の相場と注意点

足場費用の相場を知っておくことで、「不当に高い」「不当に安い」見積もりを見抜けます。

足場費用の相場

足場費用は、一般的に「㎡単価×面積」で計算されます。

一般的な㎡単価

  • 600〜1,000円/㎡

一般的な二階建て住宅の場合

  • 足場面積:150〜200㎡
  • 足場費用:9万円〜20万円

ただし、以下の条件で変動します:

  • 家の形状(複雑だと高くなる)
  • 敷地条件(狭いと組みにくい)
  • 階数(3階建ては高くなる)
  • 地域(都市部は高め)

「足場一式」表記の危険性

見積書に「足場一式 20万円」とだけ書かれている場合、注意が必要です。

確認すべき内容

  • 足場面積は何㎡か
  • ㎡単価はいくらか
  • 飛散防止ネットは含まれているか

「一式」表記では、適正価格かどうか判断できません。詳細な内訳を求めてください。

不当に高い・安い見積もりの見抜き方

不当に高い場合

  • ㎡単価が1,500円以上

ただし、3階建てや敷地が極端に狭い場合は高くなることもあります。

理由を説明してもらい、納得できなければ他社と比較してください。

不当に安い場合

  • ㎡単価が500円以下

安すぎる見積もりのリスク:

  • 足場が貧弱で安全性が低い
  • 飛散防止ネットが含まれていない
  • 後から追加費用を請求される

相見積もりの重要性

足場代が適正かどうかを判断するには、複数社から見積もりを取ることが重要です。

例:

  • A社:足場一式 25万円
  • B社:足場 180㎡ @800円 = 144,000円
  • C社:足場 200㎡ @1,200円 = 240,000円

こうして並べると、B社が適正で、A社は内訳が不明、C社は高めだと分かります。

相見積もりの取り方については、

「外壁塗装の相見積もりのコツ|足場費用を比較するときの注意点」

詳しく解説していますので、参考にしてください。


「足場代を削る」より、削るべきポイント

予算が厳しい場合、足場代を削るのではなく、他の部分で調整する方が安全です。

調整ポイント①:塗料グレードの調整

フッ素塗料からシリコン塗料に変更するなど、

塗料のグレードを下げることで、費用を抑えられます。

例:

  • フッ素塗料:3,500円/㎡
  • シリコン塗料:2,500円/㎡
  • 差額:1,000円/㎡ × 150㎡ = 15万円の削減

足場代を削るよりも、こちらの方が合理的です。

調整ポイント②:外壁と屋根を別々にする

外壁と屋根を同時ではなく、別々にすることで、一度の負担を減らせます。

ただし、トータルでは高くなるため、長期的な視点で判断してください。

詳しくは「外壁塗装と屋根塗装を同時にやるべき?別々にすべき?」で解説しています。

調整ポイント③:不要なオプションの削除

削減できる可能性のあるオプション:

  • 付帯部の塗装を最小限にする
  • 色を2色ではなく1色にする
  • 特殊な塗料をやめる

こうした調整で、数万円〜10万円程度は削減できます。

調整ポイント④:業者を変える

見積もりが高すぎると感じたら、業者を変えることも選択肢です。

ただし、安い業者が必ずしも良いとは限りません。

相見積もりを取り「説明の丁寧さ」「実績」「保証内容」などを総合的に判断してください。


よくある質問

Q. 足場代は交渉できますか?

A. ある程度は可能ですが、大幅な値引きは期待しない方がいいです。足場代は、材料費・人件費・運搬費が明確に決まっているため、大きく削ることは難しいです。値引きを強く要求すると、安全性が犠牲になるリスクがあります。

Q. 足場だけ別の業者に頼むことはできますか?

A. 理論上は可能ですが、現実的ではありません。足場業者と塗装業者の責任の所在が曖昧になり、トラブルの原因になります。また、費用も結局は変わらないか、むしろ高くなることが多いです。

Q. 足場代は火災保険や助成金の対象になりますか?

A. 火災保険は、自然災害による損傷が対象です。通常のメンテナンスとしての外壁塗装は対象外ですが、台風で損傷した場合などは対象になる可能性があります。

助成金については、自治体によって異なります。足場代単体ではなく、工事全体が対象になることが一般的です。

火災保険については、

「外壁塗装で使える火災保険|適用条件と申請方法」で詳しく解説しています。

Q. 足場を自分で用意することはできますか?

A. 専門知識がない方が足場を組むのは非常に危険です。また、塗装業者が責任を負えないため、断られることがほとんどです。絶対にやめてください。

Q. 「足場代無料」と言う業者は信用できますか?

A. 「足場代無料」と謳う業者は、実際には他の項目に上乗せしているか、手抜き工事をする可能性が高いです。足場には必ず費用がかかります。「無料」はあり得ません。


まとめ|足場は「品質と安全への投資」

外壁塗装の足場について、重要なポイントをまとめます。

足場が必要な理由

  • 職人の安全確保(法令で義務化)
  • 塗装品質の確保
  • 近隣への配慮
  • 法令・労災リスクの回避

足場を削ると起きるトラブル

  • 塗りムラ・塗膜不足
  • 三度塗りができない
  • 転落事故・労災
  • 近隣クレーム
  • 手抜き工事の温床

例外的に足場が不要なケース

  • 平屋の部分補修
  • 屋内作業のみ
  • 外壁の一部補修
  • 低所の付帯部のみ

足場費用の相場

  • 600〜1,000円/㎡
  • 二階建て住宅:9万円〜20万円

予算調整のポイント

  • 塗料グレードの調整
  • 外壁と屋根を別々にする
  • 不要なオプションの削除
  • 業者を変える

最後に|削ると後悔する可能性が高い

足場代は、確かに高く感じます。

形として残らないものに20万円も払うのは、「もったいない」と思う気持ちも理解できます。

しかし、足場は「コスト」ではなく、「品質と安全への投資」です。

足場を削って20万円浮いても、以下のリスクがあります:

  • 塗装が長持ちせず5年後に再塗装が必要になる
    (数万円〜100万円以上になるケースもあります)
  • 職人が転落して怪我をし、損害賠償を求められる(数百万円)
  • 近隣に塗料が飛散し、トラブルになる(数十万円)
  • 手抜き工事で、期待した仕上がりにならない

こうしたリスクを考えると、足場代を削ることは、決して「お得」ではありません。

もし業者から「足場なしで安くできます」と言われたら、以下を確認してください:

  • 本当に一部作業だけなのか
  • 全面塗装ではないか
  • 安全性は確保されているか
  • 他の部分で手抜きをされないか

そして、一人で判断せず、必ず家族に相談してください。

複数の業者から見積もりを取り、足場代が適正かどうかを比較することも重要です。

判断材料を集めるために、複数社に状況を見てもらうという選択肢も検討してみてください。

足場は、外壁塗装において省いてはいけない項目です。

これを削る提案をしてくる業者は、他の部分でも手を抜いている可能性が高いと考えてください。


この記事が、一人でも多くの方に届き、外壁塗装で後悔する人が減ることを、心から願っています。

正しい情報をもとに、納得のいく判断をしてください。

そして、不安なときは一人で抱え込まず、必ず誰かに相談してください。

あなたとご家族が、安心して外壁塗装を終えられることを願っています。

コメント

タイトルとURLをコピーしました