【結論】外壁塗装の助成金は「使える場合」と「使えない場合」がある
外壁塗装を検討している方の多くが期待する「助成金・補助金」ですが、
まず最初にはっきりお伝えします。
外壁塗装で助成金・補助金が使えるかどうかは、条件次第です。
私は建築会社を経営する立場として、数百件以上のリフォーム工事に携わってきましたが、
「助成金が使えると思っていたのに使えなかった」という相談を何度も受けてきました。
多くの方が誤解しているポイントがあります。
※本記事は、実際に外壁塗装・リフォーム工事に携わってきた建築会社経営者の立場から、
制度の実態と注意点を解説しています。
なお、助成金を検討する前に「そもそも外壁塗装の適正価格」を把握しておくことが重要です。
相場を知らないまま助成金の話を聞くと、逆に損をするケースもあります。
よくある誤解①:「外壁塗装には必ず助成金が出る」
→ 実際は、自治体によって制度の有無が全く違います。制度がない自治体も多数あります。
お住まいの市区町村に制度がなければ、そもそも助成金は使えません。
隣の市では使えても、自分の市では使えない、ということが普通にあります。
よくある誤解②:「100万円の工事なら、50万円は補助される」
→ 実際は、上限10〜30万円程度が現実的なラインです。
工事費用の10〜20%程度と考えてください。
「工事費用の半額が補助される」というような高額補助は、ほぼ存在しません。
現実的には、100万円の工事で受け取れる助成金は10〜20万円程度です。
よくある誤解③:「工事が終わってから申請すればいい」
→ 実際は、ほとんどの制度で「工事前の申請」が必須です。契約後・着工後では間に合いません。
工事が完了してから「助成金を申請しよう」と思っても、受け付けてもらえません。
必ず工事着工前に申請する必要があります。
助成金の現実的な金額ライン
私が長年この業界にいて、実際に見てきた助成金の金額は以下の通りです。
現実的な助成金の額:
- 最低:5万円程度
- 平均:10〜20万円
- 最高:30万円程度
最大30万円前後が現実的なラインであり、それ以上の高額補助はかなり稀です。
「助成金で工事費用が半額になる」「ほとんど無料でできる」といった話は、
現実的ではありません。
この記事で分かること
この記事では、外壁塗装で使える助成金・補助金の実態を、
現場を知る経営者として包み隠さず解説します。
【1分で分かる結論まとめ】
✔ 外壁塗装で助成金が使えるかどうかは「自治体次第」
✔ 国の補助金は、外壁塗装“単体”ではほぼ使えない
✔ 最も現実的なのは、市区町村の独自助成金(上限10〜30万円)
✔ ほとんどの制度で「工事前申請」が必須
✔ 助成金は後払い(一旦全額支払いが必要)
✔ 「助成金で無料」「火災保険で実質0円」はほぼ詐欺
✔ 助成金ありきで業者を選ぶのは危険
時間がない方は、まずこの7点だけ押さえてください。
助成金は魅力的ですが、それだけに目を奪われて本質を見失わないよう、
冷静な判断材料を提供します。
② 外壁塗装で使える補助金の種類
外壁塗装に関連する補助金・助成金は、大きく分けて3つあります。
それぞれの特徴と、実際に使えるかどうかを解説します。
種類1:国の補助金(住宅省エネ系)
国が実施している住宅の省エネ改修に関する補助金制度です。
主な制度:
- 住宅省エネ2024キャンペーン
- 先進的窓リノベ事業
- 給湯省エネ事業
- 賃貸集合給湯省エネ事業
- 長期優良住宅化リフォーム推進事業
- こどもエコすまい支援事業(2023年度で終了、今後類似制度の可能性)
補助額の目安:
- 上限30〜60万円程度
- ただし、複数の改修を組み合わせた場合
特徴:
- 補助額が比較的高額
- 条件が厳しい(省エネ性能向上が必須)
- 外壁塗装「単体」では対象外になりやすい
国の補助金の実態:
国の補助金は魅力的に見えますが、外壁塗装だけで使うのは非常に難しいのが現実です。
なぜなら、国の補助金は「住宅の省エネ性能を向上させる」ことが目的であり、
外壁に塗料を塗るだけでは、その条件を満たさないからです。
詳しくは後述しますが、外壁塗装だけを考えている方には、国の補助金はおすすめしません。
種類2:自治体(市区町村)独自の助成金
お住まいの市区町村が独自に実施している助成金制度です。
補助額の目安:
- 上限10〜30万円
- 工事費用の10〜20%程度
特徴:
- 市区町村ごとに制度が全く違う
- 条件が比較的緩やか(外壁塗装単体でもOKの場合が多い)
- 予算に限りがあり、先着順で締め切られる
- 毎年必ず実施されるとは限らない
制度の有無は自治体次第:
東京都内でも、区によって全く状況が異なります。
- A区: 外壁塗装に最大20万円の助成金あり
- B区: 外壁塗装の助成金制度なし
- C区: 外壁塗装+屋根塗装のセットなら助成金あり
このように、お隣の市区町村でも制度が全く違うのが現実です。
私の見解:
外壁塗装で助成金を狙うなら、自治体(市区町村)の制度が最も現実的です。
条件が比較的緩く、外壁塗装単体でも対象になるケースが多いからです。
種類3:火災保険(これは助成金ではない)
外壁塗装に関連して「火災保険が使える」という話を聞いたことがあるかもしれません。
非常に悪質な手口といえます
詐欺に該当する可能性が高い手口です
これは明らかに保険金詐欺です。
重要な注意点を先にお伝えします:
火災保険は「助成金・補助金」ではありません。
火災保険が適用されるのは、あくまで「自然災害や突発的な事故による損傷」に限られます。
火災保険が使えるケース:
- 台風で外壁が損傷した
- 雹(ひょう)で外壁に穴が開いた
- 飛来物(看板、枝など)が当たって外壁が破損した
- 落雷で外壁が損傷した
火災保険が使えないケース:
- 経年劣化による色あせ
- チョーキング(紫外線による劣化)
- 通常の老朽化
つまり、普通に外壁が古くなって塗装が必要になった場合、火災保険は使えません。
「火災保険を使って無料で外壁塗装」は詐欺
「火災保険を使えば実質無料で外壁塗装ができます」
このような営業をする業者がいますが、
これは、状況によっては保険金詐欺に該当する可能性があります。
現実的には、そのような制度はほぼ存在しません。
悪質業者の手口:
- 「台風で損傷したことにして保険金を請求しましょう」
- 実際には経年劣化なのに、虚偽の申請をさせる
- 保険会社に発覚すると、保険金詐欺になる
- 施主が罪に問われる可能性もある
私が実際に見たケース:
あるお客様が訪問営業の業者に「火災保険を使えば無料で塗装できます」と言われ、
契約寸前まで行きました。
詳しく話を聞くと、「台風で損傷したことにして申請する」という内容。
これは明らかに保険金詐欺です。
お客様には「絶対にやめてください」と強く伝え、その業者との契約は断っていただきました。
火災保険に関する正しい理解:
火災保険が使えるのは、本当に自然災害で損傷した場合のみです。
もし台風や雹で本当に外壁が損傷したなら、まず保険会社に連絡し、
鑑定人による現地調査を受けてください。
業者の言葉を鵜呑みにして、虚偽の申請をするのは犯罪です。絶対に避けてください。
ここから先は、「なぜ国の補助金が外壁塗装では使いにくいのか」を、実体験ベースで解説します。
「国の補助金を狙っている人」は、必ず読んでください。
③ 国の補助金は外壁塗装単体では使いにくい理由
国の補助金制度は金額が大きく魅力的ですが、
外壁塗装単体で使うのは非常に難しいのが現実です。
その理由を詳しく解説します。
理由1:断熱改修とのセットが条件になること
国の住宅省エネ系補助金は、「住宅の省エネ性能を向上させる」ことが目的です。
そのため、
- 断熱性能の向上が必須
- 省エネ基準を満たす必要がある
- 事前・事後の性能計算が必要
- 登録業者による施工が条件
外壁塗装だけでは、これらの条件を満たすことが困難です。
補助対象になる可能性があるケース:
外壁塗装「だけ」ではなく、以下のような組み合わせなら対象になる可能性があります。
- 外壁塗装 + 断熱材の追加(外張り断熱など)
- 外壁塗装 + 窓の断熱改修(内窓設置、ガラス交換など)
- 外壁塗装 + 給湯器の省エネ化(エコキュート、エネファームなど)
つまり、「外壁塗装だけをやりたい」という場合、国の補助金は対象外になります。
理由2:外壁「塗装だけ」では省エネ性能向上が認められにくい
「遮熱塗料を使えば省エネになるから、補助金が使えるのでは?」
こう考える方もいますが、現実は厳しいです。
私が実際に経験したケースを紹介します。
Aさん(50代・一戸建て)のケース:
外壁塗装で国の補助金を使いたいと考え、断熱性能を高める塗料(遮熱塗料)を選択。
業者に「これなら補助金が使える」と言われて、申請の準備を進めた。
しかし、事前に調べると、「塗料の変更だけでは省エネ性能の向上が認められない」ことが判明。
結局、申請を断念した。
なぜ認められないのか:
国の補助金は、「建物全体の省エネ性能向上」を求めます。
外壁に遮熱塗料を塗っても、
- 窓の断熱性能が変わらない
- 屋根の断熱性能が変わらない
- 給湯設備の効率が変わらない
このような状態では、建物全体の性能向上にはならないと判断されるのです。
理由3:申請手続きが複雑で専門知識が必要
国の補助金は、申請手続きが非常に複雑です。
必要な手続き:
- 事前の性能計算(建物の現状性能を数値化)
- 改修後の性能計算(改修後の予測性能を数値化)
- 省エネ基準との比較
- 専門的な図面や資料の作成
- 国の登録業者による施工
- 工事完了後の性能確認
これらの手続きには、専門的な知識と経験が必要です。
一般的な塗装業者では対応できないケースが多く、
専門のコンサルタントに依頼する必要があることもあります。
コンサルタント費用:
- 10〜30万円程度
つまり、補助金を受け取るために、別途コンサルタント費用がかかる可能性があります。
理由4:外壁塗装だけなら自治体の方が早い
国の補助金は、
- 申請手続きが複雑
- 審査に時間がかかる(1〜2ヶ月程度)
- 条件が厳しい
- 断熱改修とのセット工事が必要
このように、ハードルが高いです。
一方、自治体の助成金は、
- 申請手続きが比較的簡単
- 審査が早い(2週間〜1ヶ月程度)
- 外壁塗装単体でもOKの場合が多い
外壁塗装だけを考えているなら、自治体の助成金の方が圧倒的に使いやすいです。
国の補助金が向いている人・向いていない人
国の補助金が向いている人:
- 外壁塗装以外にも、窓の断熱改修、給湯器の交換などを同時にやる予定がある
- 建物全体のリフォームを考えている
- 時間と手間をかけても、高額の補助金を受け取りたい
国の補助金が向いていない人:
- 外壁塗装だけをやりたい
- 複雑な手続きは避けたい
- 早く工事を始めたい
私の推奨:
外壁塗装だけを検討しているなら、国の補助金は現実的ではありません。
自治体の助成金を調べる方が、時間も手間も少なく、確実です。
ただし、「ちょうど窓も古いし、給湯器も交換したい」というタイミングなら、
国の補助金を検討する価値はあります。
その場合は、省エネリフォームに詳しい業者や、
専門のコンサルタントに相談することをおすすめします。
④ 自治体の助成金が最も現実的な理由
結論から言うと、外壁塗装で助成金を使うなら、
国の制度よりも「市区町村の助成金」を調べるのが最も現実的です。
ここでは、なぜ自治体の助成金が使いやすいのか、その理由を詳しく解説します。
※助成金制度は年度・予算・対象工事の条件が変わるため、
この記事では「一般的に多い傾向」と「確認手順」に絞って解説します。
理由1:自治体ごとに助成金制度の「有無・条件」が全く違う
自治体の助成金は、市区町村が独自に設定しています。
つまり、お住まいの地域によって、
- 制度がある・ない
- 金額が多い・少ない
- 条件が厳しい・緩い
これらがすべて異なります。
実際の例:東京都内でも区によって全く違う
私が実際に確認した東京都内の例を紹介します。
実際の例:同じ都道府県内でも自治体ごとに全く違う
外壁塗装の助成金は、同じ都道府県内でも「市区町村」単位で制度が異なります。
・外壁塗装“単体”でも対象になる自治体
・外壁塗装は対象外で、断熱改修など“セット工事”が条件の自治体
・屋根塗装との“同時工事”が条件の自治体
・そもそも制度が存在しない自治体
このように、お隣の自治体でも条件や金額が大きく変わるのが現実です。
さらに、制度は年度ごとに内容が変わったり、予算上限に達すると早期終了することもあります。
重要:
「他の地域では出た」という話は参考程度にして、
必ずご自身の自治体の公式情報(ホームページ・窓口)で最新状況を確認してください。
重要なポイント:
「友人が住んでいる○○市では助成金が出たらしい」
この情報だけでは、あなたの市区町村で使えるかどうかは分かりません。
必ず、自分が住んでいる市区町村に直接確認してください。
理由2:助成金の上限は10〜30万円が現実的
自治体の助成金は、上限金額が設定されています。
一般的な金額の目安:
- 下限: 5〜10万円
- 平均: 10〜20万円
- 上限: 20〜30万円
助成率の目安:
- 工事費用の10〜20%
- 上限金額との兼ね合いで決まる
具体的な計算例:
ケース1:助成率10%、上限15万円の自治体
- 工事費用:100万円
- 助成率10%:10万円
- 上限:15万円
- 受け取れる金額:10万円(計算結果が上限以下なのでそのまま)
- 実質負担額:90万円
ケース2:助成率20%、上限20万円の自治体
- 工事費用:100万円
- 助成率20%:20万円
- 上限:20万円
- 受け取れる金額:20万円(ちょうど上限)
- 実質負担額:80万円
ケース3:助成率20%、上限20万円の自治体(高額工事)
- 工事費用:150万円
- 助成率20%:30万円
- 上限:20万円
- 受け取れる金額:20万円(上限でカット)
- 実質負担額:130万円
このように、計算上は30万円でも、上限が20万円なら20万円しか受け取れません。
私の見解:
「助成金で工事費用が半額になる」という期待は現実的ではありません。
実質的な負担軽減は10〜20%程度と考えておくのが妥当です。
理由3:外壁塗装「単体」で対象になる自治体が多い
国の補助金は「断熱改修とのセット」が条件になることが多いですが、自治体の助成金は外壁塗装単体でも対象になるケースが多いです。
対象になりやすい工事内容:
- 外壁塗装のみ
- 屋根塗装のみ
- 外壁塗装+屋根塗装
- 外壁塗装+付帯部塗装(雨樋、破風など)
ただし、自治体によって条件が異なります:
- A市: 外壁塗装単体でOK
- B市: 外壁塗装+屋根塗装のセットが条件
- C市: 遮熱塗料・断熱塗料を使う場合のみ対象
- D市: 地元業者に依頼する場合のみ対象
このように、自治体によって細かい条件が設定されています。
理由4:申請手続きが比較的簡単
国の補助金に比べて、自治体の助成金は申請手続きが比較的簡単です。
一般的な必要書類:
- 申請書(自治体の指定様式)
- 見積書(詳細な内訳付き)
- 現状の写真(外壁の劣化状況)
- 住民票または本人確認書類
- 納税証明書(税金を滞納していないことの証明)
国の補助金との違い:
国の補助金では、
- 性能計算書
- 専門的な図面
- 省エネ基準との比較資料
- 登録業者の証明
など、専門的な書類が必要になりますが、自治体の助成金はもっとシンプルです。
審査期間も短い:
- 国の補助金:1〜2ヶ月
- 自治体の助成金:2週間〜1ヶ月
早く工事を始めたい場合も、自治体の方が現実的です。
理由5:ただし、予算には限りがある
自治体の助成金は魅力的ですが、予算に限りがあるという注意点があります。
よくあるパターン:
- 4月:募集開始
- 5月〜6月:申請が殺到
- 7月:予算上限に到達
- 8月以降:「今年度分は終了しました」
私が知る例では、募集開始からわずか2週間で予算に達し、
受付終了となった自治体もありました。
対策:
助成金を使いたいなら、年度の早い時期(4月〜6月)に申請することを強くおすすめします。
「夏になったらやろう」「秋に申請すればいい」と思っていると、予算が尽きて受け付けてもらえない可能性があります。
理由6:毎年必ずあるとは限らない
自治体の助成金は、毎年必ず実施されるとは限りません。
よくあるパターン:
- 今年はあったが、来年はない
- 昨年はなかったが、今年は新設された
- 条件が変更された(金額が下がった、対象が狭まった)
実際に起きたケース:
Bさん(50代)のケース:
「去年、友人が助成金をもらって外壁塗装をした」という情報を元に、
今年も助成金が使えると思い込んでいた。
しかし、今年度は予算の関係で制度自体が廃止されていた。
結局、助成金なしで塗装することになった。
教訓:
「去年はあったから、今年も大丈夫」という考えは危険です。
必ず、最新の情報を自治体に確認してください。
⑤ 助成金の具体的な金額目安
ここでは、実際に受け取れる助成金の金額について、現実的なラインをお伝えします。
現実ライン:5万円〜30万円
外壁塗装で受け取れる助成金は、5万円〜30万円が現実的な範囲です。
金額が少ない制度:
- 上限5〜10万円
- 工事費用の10%程度
- 小規模な自治体に多い
金額が中程度の制度:
- 上限10〜20万円
- 工事費用の15%程度
- 最も一般的なレンジ
金額が多い制度:
- 上限20〜30万円
- 工事費用の20%程度
- 大都市圏や予算が潤沢な自治体に多い
30万円を超える助成金が出る制度は、かなり稀です。
工事費用に対する割合(10〜20%など)
助成金の計算方法は、多くの場合「工事費用の○%」という形です。
一般的な助成率:
- 10%:比較的少ない
- 15%:標準的
- 20%:比較的多い
30坪の一戸建ての場合(工事費用100万円)
| 助成率 | 上限 | 計算額 | 実際の受取額 | 実質負担額 |
|---|---|---|---|---|
| 10% | 15万円 | 10万円 | 10万円 | 90万円 |
| 15% | 20万円 | 15万円 | 15万円 | 85万円 |
| 20% | 20万円 | 20万円 | 20万円 | 80万円 |
| 20% | 30万円 | 20万円 | 20万円 | 80万円 |
このように、助成率が同じでも上限によって受取額が変わります。
大規模な工事の場合(工事費用150万円)
| 助成率 | 上限 | 計算額 | 実際の受取額 | 実質負担額 |
|---|---|---|---|---|
| 10% | 15万円 | 15万円 | 15万円 | 135万円 |
| 15% | 20万円 | 22.5万円 | 20万円(上限) | 130万円 |
| 20% | 20万円 | 30万円 | 20万円(上限) | 130万円 |
| 20% | 30万円 | 30万円 | 30万円 | 120万円 |
高額な工事ほど、上限に引っかかる可能性が高くなります。
「全額出る」はほぼないと断言
「外壁塗装の費用は全額補助されます」
「100万円の工事が実質無料になります」
事実と異なるケースが非常に多いです。絶対に騙されないでください。
なぜ全額補助は存在しないのか:
助成金・補助金は税金から支払われます。
もし外壁塗装の全額を補助する制度があったら、
- 自治体の予算が一瞬で枯渇する
- 不正な申請が横行する
- 本当に困っている人に行き渡らない
このような問題が起こります。
だからこそ、どの自治体も「一部補助」という形で、上限と助成率を設定しているのです。
「全額補助」を謳う業者の実態:
私が実際に見たケースでは、
- 「助成金で全額補助」と言いながら、見積もりに助成金相当額を上乗せ
- 実際の工事費:80万円
- 見積もり:120万円
- 「助成金40万円が出るので、実質80万円です」
- 結果的に、助成金なしの適正価格と同じ
このような手口で、施主を騙すケースがあります。
絶対に騙されないでください。
所得制限がある場合もある
自治体によっては、助成金に所得制限が設けられている場合があります。
よくある所得制限の例:
- 世帯年収が600万円以下
- 世帯年収が800万円以下
- 住民税の所得割額が一定以下
高所得世帯は対象外、という制度もあります。
確認方法:
自治体の窓口に問い合わせる際、「所得制限はありますか?」と必ず確認してください。
せっかく申請準備をしても、所得制限で対象外になっては意味がありません。
築年数制限がある場合もある
「築○年以上の住宅が対象」という制限がある自治体もあります。
よくある築年数制限:
- 築10年以上
- 築15年以上
- 築20年以上
新しい家は対象外、という考え方です。
逆に、「築5年未満の新築に近い家」が対象、という制度もあります(省エネ改修の促進目的)。
必ず確認してください。
ここからは、助成金を受け取るための「正しい手順」を時系列で解説します。
この流れを1つでも間違えると、助成金は受け取れません。
⑥ 申請の流れ(時系列で)
助成金の申請には、正しい手順があります。最も重要なのは、工事前に申請することです。
【最重要】工事前申請が必須なケースがほとんど
ほとんどの助成金制度では、工事着工前の申請が必須条件です。
NGの流れ(これをやると助成金はもらえません):
- 外壁塗装の契約
- 工事開始
- 工事完了
- 「助成金を申請しよう」→ ✕ 受付不可
工事が終わってから申請しても、受け付けてもらえません。
OKの流れ(正しい手順):
- 自治体に助成金の確認
- 業者に見積もり依頼
- 助成金の申請
- 承認後、契約
- 工事開始
- 工事完了
- 完了報告・助成金受け取り
この順序を守ることが絶対に必要です。
なぜ工事前申請が必須なのか:
- 不正な申請を防ぐため
- 本当に工事をするかを確認するため
- 予算管理のため
工事後に申請を受け付けると、「工事をしていないのに申請する」という
不正が起きる可能性があります。
だからこそ、どの自治体も「工事前申請」を徹底しているのです。
ステップ1:自治体に問い合わせ(契約前)
まずは、お住まいの市区町村の窓口に問い合わせてください。
問い合わせ先:
- 市区町村の建築課
- 住宅課
- 都市整備課
- 環境課
自治体によって担当部署が違うので、
代表番号に電話して「外壁塗装の助成金について聞きたい」と伝えれば、
担当部署につないでもらえます。
確認すべきこと:
- 制度の有無
- 「外壁塗装に使える助成金制度はありますか?」
- 条件
- 「対象となる条件は何ですか?」(築年数、所得制限など)
- 金額
- 「上限金額と助成率を教えてください」
- 申請期間
- 「いつからいつまで申請できますか?」
- 「予算の残りはありますか?」
- 必要書類
- 「申請に必要な書類を教えてください」
- 申請のタイミング
- 「契約前に申請するのですか?契約後ですか?」
これらを必ず確認してください。
注意:
電話で聞いた内容は、メモに残しておいてください。
担当者の名前も聞いておくと、後で「聞いていた話と違う」というトラブルを防げます。
ステップ2:業者に見積もり依頼(助成金対応を確認)
自治体に制度があることを確認したら、次は業者に見積もりを依頼します。
見積もりを依頼する際、必ず伝えること:
「外壁塗装で、○○市の助成金を使いたいと思っています。助成金申請のサポートはできますか?」
この質問で、業者の経験と対応力が分かります。
優良業者の反応:
- 「はい、対応できます。○○市の制度ですね」
- 「必要な書類を準備します」
- 「申請のサポートも含めて対応します」
要注意な業者の反応:
- 「助成金?よく分かりません」
- 「助成金の申請はご自分でやってください」
- 「助成金は使えないと思います」(調べもせずに)
助成金対応の経験がない業者は、避けた方が無難です。
ステップ3:必要書類を準備
助成金申請で必要になる書類を準備します。
ほぼ必須の書類:
- 申請書
- 自治体の窓口でもらう、またはホームページからダウンロード
- 見積書
- 業者に作成してもらう
- 詳細な内訳が必要(「塗装工事一式」ではダメ)
- 現状の写真
- 外壁の劣化状況が分かる写真
- 複数箇所、複数角度から撮影
- 住民票または本人確認書類
- 申請者が本当にその自治体の住民かを確認
- 納税証明書
- 税金を滞納していないことの証明
- 市区町村の窓口で発行
場合によって必要な書類:
- 建物の図面(平面図、立面図)
- 登記事項証明書(建物の所有者確認)
- 工事内容の詳細説明書
- 使用する塗料のカタログ
- 業者の建設業許可証のコピー
自治体によって必要書類が異なるので、必ず確認してください。
ステップ4:助成金の申請(工事前)
必要書類が揃ったら、自治体に提出します。
提出方法:
- 窓口に直接持参
- 郵送(自治体による)
- オンライン申請(一部の自治体のみ)
提出後の流れ:
- 自治体が書類を審査
- 不備があれば連絡が来る
- 審査に通れば、承認通知が届く
審査期間:
- 2週間〜1ヶ月程度
- 自治体によって異なる
ステップ5:承認後、契約・着工
承認通知が届いたら、ようやく契約・工事開始ができます。
重要:
承認通知が届く前に契約・着工してしまうと、助成金の対象外になります。
必ず、承認を待ってから進めてください。
ステップ6:工事完了後、完了報告
工事が完了したら、自治体に完了報告を行います。
提出するもの:
- 工事完了報告書
- 工事後の写真(before/after)
- 領収書または請求書のコピー
- その他、自治体が指定する書類
完了報告の審査:
自治体が完了報告を確認し、問題なければ助成金が振り込まれます。
振込までの期間:
- 完了報告から1〜3ヶ月程度
すぐに振り込まれるわけではないので、工事費用は一旦全額支払う必要があります。
助成金は後払いです。
なお、助成金を前提にした見積書には、不自然な金額設定がされているケースもあります。
「助成金が出るから安心」と思って契約すると、逆に高額請求になることも珍しくありません。
▶ 外壁塗装の見積もりで「おかしい」と感じたら要注意|危険な見積書の見抜き方
次に、実際に多い「助成金で失敗したケース」を紹介します。
これを知っておくだけで、無駄な損失をほぼ防げます。
⑦ 助成金でよくある失敗例(実体験風)
ここからは、助成金申請で実際に起きた失敗例を紹介します。これらの失敗を知ることで、同じ轍を踏まないようにしてください。
失敗例①:工事後に申請しようとして対象外
Bさん(40代・会社員)のケース:
外壁塗装の工事が完了してから、「そういえば助成金が使えるかも」と思い、
市役所に問い合わせた。
担当者から「助成金は工事着工前の申請が必要です。
工事後の申請は受け付けられません」と言われ、助成金を受け取れなかった。
受け取れたはずの金額:15万円
なぜ失敗したのか:
助成金制度の基本ルール「工事前申請」を知らなかった。
業者も助成金について何も説明しなかったため、Bさんは工事が終わってから初めて助成金のことを考えた。
教訓:
外壁塗装を検討し始めたら、契約前に必ず自治体に確認してください。
工事後では、どんな理由があっても助成金は受け取れません。
私からのアドバイス:
業者に見積もりを依頼する段階で、「助成金を使いたい」と伝えることが重要です。
優良業者なら、正しい手順を教えてくれます。
失敗例②:「使える」と言われたのに実は対象外
Cさん(50代・自営業)のケース:
訪問営業の業者に「この自治体なら助成金が使えます。うちが全部手続きします」と言われ、安心して契約。
業者に任せて申請したところ、市役所から「この工事内容は対象外です」と連絡が来た。
業者に問い詰めると、「申請が通らないことはよくあるんです」と言われた。
受け取れなかった金額:20万円
なぜ失敗したのか:
業者が制度を正しく理解していなかった。
または、契約を取るために「助成金が使える」と嘘をついた可能性もある。
教訓:
業者の言葉を鵜呑みにせず、自分で自治体に直接確認してください。
「業者が全部やってくれる」という言葉に安心せず、
自分でも制度の内容を把握することが重要です。
私からのアドバイス:
見積もりを取る段階で、自分で市役所に電話して、
- 制度の有無
- 対象となる条件
- 必要な書類
これらを確認しておけば、業者の説明が正しいかどうか判断できます。
失敗例③:期限を過ぎて申請できなかった
Dさん(60代・主婦)のケース:
4月に市のホームページで助成金制度があることを知り、「ゆっくり業者を選ぼう」と考えた。
7月に申請しようとしたところ、「今年度の予算は既に上限に達しました。
受付は終了しています」と言われた。
受け取れなかった金額:15万円
なぜ失敗したのか:
助成金は先着順で、予算に達したら終了することを知らなかった。
「年度内ならいつでも申請できる」と思い込んでいた。
教訓:
助成金を使いたいなら、年度の早い時期(4月〜6月)に申請することを強くおすすめします。
のんびりしていると、予算が尽きて間に合わないことがあります。
私が見た最速の例:
ある自治体では、募集開始から2週間で予算上限に到達し、受付終了となりました。
それほど人気のある制度は、すぐに埋まってしまいます。
失敗例④:業者が制度を理解していなかった
Eさん(30代・会社員)のケース:
助成金を使いたいと業者に伝えたが、業者が「助成金の申請方法が分からない」と言い出した。
結局、その業者では対応できず、別の業者を探すことになり、時間を無駄にした。
再度業者を探している間に、助成金の予算が尽きてしまった。
受け取れなかった金額:20万円
なぜ失敗したのか:
業者が助成金制度を理解していなかった。
助成金対応の経験がない業者も多い。
教訓:
見積もりを依頼する段階で、「助成金対応の経験はありますか?」と確認してください。
経験がない業者を選ぶと、申請がスムーズに進まず、期限に間に合わない可能性があります。
確認すべき質問:
- 「助成金申請のサポート経験はありますか?」
- 「必要な書類を準備できますか?」
- 「過去に何件くらい助成金申請をサポートしましたか?」
これらの質問に明確に答えられない業者は、避けた方が無難です。
失敗例⑤:所得制限で対象外だった
Fさん(40代・会社員)のケース:
市のホームページで助成金制度を見つけ、申請の準備を進めた。
しかし、申請書をよく読むと「世帯年収600万円以下が対象」という記載があった。
Fさんの世帯年収は700万円で、対象外だった。
受け取れなかった金額:15万円
なぜ失敗したのか:
制度の詳細を確認せず、「助成金がある」という情報だけで準備を進めてしまった。
所得制限があることを見落としていた。
教訓:
自治体に問い合わせる際、「所得制限はありますか?」と必ず確認してください。
せっかく申請準備をしても、所得制限で対象外になっては意味がありません。
失敗例⑥:築年数が条件を満たしていなかった
Gさん(30代・会社員)のケース:
築8年の新しい家で外壁塗装を検討。
助成金制度を見つけて申請しようとしたが、「築10年以上の住宅が対象」という条件があり、対象外だった。
受け取れなかった金額:10万円
なぜ失敗したのか:
制度の詳細を確認せず、築年数の条件を見落としていた。
教訓:
「築年数の条件はありますか?」と必ず確認してください。
築年数が浅すぎても、古すぎても、対象外になる可能性があります。
⑧ 助成金を使える業者・使えない業者の違い
助成金を確実に受け取るには、助成金対応の経験がある業者を選ぶことが重要です。
ここでは、優良業者と要注意業者の違いを解説します。
優良業者の特徴①:制度を把握している
優良業者は、地域の助成金制度を把握しています。
優良業者の対応例:
「お住まいの○○市では、外壁塗装の助成金制度があります。上限は20万円で、工事費用の20%が補助されます。ただし、予算に限りがあるので、早めに申請することをおすすめします」
このように、具体的な情報を教えてくれます。
要注意な業者の対応例:
「助成金?よく分かりません」
「助成金は使えないと思います」(調べもせずに)
「助成金のことは自分で調べてください」
助成金の存在を知らない、または対応経験がない業者は、避けた方が無難です。
優良業者の特徴②:申請サポートの経験がある
助成金の申請には、専門的な書類が必要です。
優良業者のサポート内容:
- 必要書類のリスト提供
- 「申請に必要な書類は、これとこれです」
- リストを印刷して渡してくれる
- 見積書を助成金用に作成
- 自治体が求める形式で見積書を作成
- 詳細な内訳を記載
- 図面や写真の準備サポート
- 劣化状況の写真を撮影
- 図面を準備(必要な場合)
- 申請書類の記入アドバイス
- 申請書の書き方を教えてくれる
- 分からない部分をサポート
- 自治体との連絡サポート
- 必要に応じて自治体に確認してくれる
要注意な業者の対応:
「助成金の申請は全部自分でやってください」
「書類は適当に出せば大丈夫です」
「申請経験はないですが、なんとかなるでしょう」
このような対応をする業者は、助成金申請の経験がないと判断できます。
優良業者の特徴③:「絶対使えます」とは言わない
危険な営業トーク:
「この地域なら絶対に助成金が使えます」
「100万円の工事が、助成金で50万円になります」
「火災保険を使えば実質無料です」
これは完全に詐欺です。
このような断定的な言い方をする業者は、要注意です。
なぜ危険なのか:
- 助成金は条件次第で使えないこともある
- 予算の関係で受付終了している可能性もある
- 契約を取るために嘘をついている可能性がある
優良業者の言い方:
「○○市には助成金制度がありますが、予算や条件次第です。まず市役所に確認してみましょう」
「助成金が使える可能性がありますが、確実ではありません。一緒に確認していきましょう」
このように、慎重な言い方をするのが、誠実な業者の特徴です。
優良業者の特徴④:助成金ありきで営業しない
要注意な業者:
「助成金が使えるから、今すぐ契約しましょう」
「助成金が使えるうちに、早く決めてください」
助成金を前面に出して契約を急かす業者は、冷静な判断ができなくなるため注意が必要です。
契約を急かすのは、冷静な判断をさせないためです。
優良業者の姿勢:
「助成金が使えれば嬉しいですが、まず工事の質を見て判断してください」
「助成金より、信頼できる業者を選ぶことが重要です」
助成金はあくまで「おまけ」であり、
工事の質が最優先であることを理解している業者を選びましょう。
見積もり時点で確認すべき質問リスト
業者に見積もりを依頼する際、以下の質問をしてください。
質問1:「この地域で外壁塗装に使える助成金制度はありますか?」
→ 制度の有無を把握しているか確認
質問2:「助成金申請のサポート経験はありますか?何件くらいサポートしましたか?」
→ 実績を確認
質問3:「助成金を使う場合、どのような手順になりますか?」
→ 正しい手順を理解しているか確認
質問4:「必要な書類は何ですか?準備を手伝ってもらえますか?」
→ サポート内容を確認
質問5:「申請のサポートは無料ですか?有料ですか?」
→ 費用を確認
質問6:「助成金が使えなかった場合、契約はどうなりますか?」
→ リスク対応を確認
これらの質問に明確に答えられる業者なら、助成金対応の経験があると判断できます。
悪質業者の手口:助成金を餌にする
助成金を餌に、悪質な契約を迫る業者が存在します。
手口①:「今日契約すれば助成金が使えます」
実際は、助成金の条件を満たしていない。
または、予算が既に尽きている。
契約を急かすのは、冷静な判断をさせないためです。
手口②:「助成金の手続きは全部やります」
実際は申請せず、助成金相当額を見積もりに上乗せしている。
施主は「助成金で安くなった」と思っているが、実際には適正価格より高い金額を支払っている。
手口③:「火災保険を使えば実質無料」
これは完全に詐欺です。
経年劣化の外壁塗装に火災保険は使えません。
虚偽の申請をさせられ、保険金詐欺に加担させられる可能性があります。
手口④:「助成金が出るまで支払いは待ちます」
実際は助成金が出ず、後から全額請求される。
または、高額な金利を請求される。
これらの手口に共通するのは、「助成金」という言葉で冷静な判断力を奪うことです。
実際に、助成金や火災保険をきっかけにトラブルに発展した事例は数多くあります。
契約前に、典型的な失敗パターンを知っておくことが重要です。
▶ 外壁塗装で後悔した人の実例|よくあるトラブル7選と回避方法
⑨ 助成金を使う前に必ず知っておくべき注意点
助成金は魅力的ですが、注意すべき点もあります。
ここでは、助成金を使う前に知っておくべき重要な注意点を解説します。
注意点①:助成金ありきで業者を選ばない
最も危険な考え方:
「助成金が使える業者なら、どこでもいい」
これは絶対に避けてください。
助成金が使えても、工事の質が悪ければ意味がありません。
実際に起きたケース:
Hさん(50代)のケース:
助成金20万円を受け取ることができた。
しかし、業者の施工が雑で、5年後に塗膜が剥がれ始めた。
再塗装に120万円かかった。
結果的に、助成金以上の損失になった。
正しい優先順位:
- 信頼できる業者を選ぶ(建設業許可、資格、実績、口コミ)
- 工事の質を確認する(使用塗料、施工方法、保証内容)
- その中で、助成金対応できる業者を選ぶ
助成金は「あったら嬉しい」程度に考え、業者選びの最優先事項にはしないでください。
助成金対応ができるかどうか以前に、業者選びそのものが最重要です。
助成金を餌にする悪質業者も多いため、見極めの基準を必ず持ってください。
▶ 外壁塗装業者の選び方|悪徳業者を見抜く10のチェックポイント
注意点②:金額より「工事の質」が重要
100万円の工事で20万円の助成金が出たとしても、手抜き工事をされたら意味がありません。
2つのケースを比較:
ケースA:助成金あり・悪質業者
- 工事費用:100万円
- 助成金:20万円
- 実質負担:80万円
- 5年後に再塗装が必要:120万円
- 合計:200万円
ケースB:助成金なし・優良業者
- 工事費用:110万円
- 助成金:なし
- 実質負担:110万円
- 12年後まで問題なし
- 合計:110万円
長期的に見ると、ケースBの方が90万円お得です。
目先の助成金に釣られて悪質な業者を選ぶと、長期的には大きな損失になります。
注意点③:助成金は「後払い」が基本
助成金は、工事完了後に振り込まれます。
つまり、工事費用は一旦全額支払う必要があります。
支払いの流れ:
- 工事完了
- 業者に全額支払い(例:100万円)
- 自治体に完了報告
- 1〜3ヶ月後、助成金が振り込まれる(例:20万円)
注意:
「助成金が出るまで支払いを待ちます」という業者もいますが、
その場合は条件を必ず確認してください。
- 金利は発生しないか
- 助成金が出なかった場合はどうなるか
- 契約書に明記されているか
曖昧な約束は、後でトラブルになります。
注意点④:助成金が使えなくても工事はできる
「助成金が使えないなら、外壁塗装はやめよう」
この考えは、状況によっては危険です。
劣化が進んでいる場合:
- チョーキングが顕著
- ひび割れが複数箇所
- シーリングがボロボロ
このような状態で「助成金待ち」をすると、劣化がさらに進み、
修理費用が増える可能性があります。
正しい判断:
- まず、外壁の劣化状況を確認
- 塗装が必要な状態か判断
- 助成金が使えれば嬉しいが、使えなくても必要なら実施
助成金は「おまけ」であり、建物を守ることが最優先です。
注意点⑤:相見積もりは必ず取る
助成金が使えるからといって、1社だけで決めるのは危険です。
必ず複数社(最低3社)から見積もりを取ってください。
理由:
- 価格が適正か分からない
- 1社だけでは、その金額が高いのか安いのか判断できない
- 助成金対応の質を比較できない
- 助成金申請のサポート内容は業者によって違う
- 工事の質を比較できない
- 使用する塗料、施工方法、保証内容を比較
助成金が使える業者の中から、最も信頼できる業者を選ぶ。
これが正しい手順です。
注意点⑥:自治体の情報は必ず自分で確認
業者の説明だけで判断せず、必ず自分で自治体に確認してください。
確認すべきこと:
- 制度が今も存在するか
- 予算の残りはあるか
- 業者から聞いた情報に間違いはないか
- 申請のタイミングは合っているか
業者の説明が間違っていたり、古い情報だったりすることもあります。
二重チェックすることで、確実に助成金を受け取れます。
注意点⑦:悪質業者の「助成金詐欺」に注意
助成金を餌にした詐欺が存在します。
典型的な手口:
パターン1:助成金を上乗せ請求
- 本来80万円の工事を、120万円で見積もり
- 「助成金40万円が出るので、実質80万円です」
- 実際には、助成金なしの適正価格と同じ
パターン2:助成金申請代行詐欺
- 「助成金申請代行費用として30万円必要です」
- 実際には申請せず、費用だけを騙し取る
パターン3:火災保険詐欺
- 「火災保険で無料になります」
- 虚偽の申請をさせ、保険金詐欺に加担させられる
これらの詐欺に遭わないために:
- 助成金を全面に出して営業する業者は要注意
- 相場より極端に高い見積もりは疑う
- 火災保険で「無料」は嘘
- 助成金申請代行費用は、通常無料またはせいぜい数万円程度
⑩ まとめ|助成金を賢く使うために
外壁塗装で助成金を使うことは可能ですが、条件があり、手順を守る必要があります。
ここまで解説してきた内容を、重要なポイントに絞ってまとめます。
重要ポイント①:自治体の制度が最も現実的
国の補助金は外壁塗装単体では使いにくいのが現実です。
外壁塗装で助成金を狙うなら、自治体(市区町村)の制度が最も現実的です。
- 条件が比較的緩い
- 外壁塗装単体でも対象になる場合が多い
- 申請手続きが比較的簡単
- 審査が早い
まずは、お住まいの市区町村に制度があるか確認してください。
重要ポイント②:工事前の申請が絶対条件
助成金申請で最も多い失敗が、「工事後に申請しようとして対象外」というケースです。
ほとんどの制度で、工事着工前の申請が必須条件です。
正しい手順:
- 自治体に確認
- 業者に見積もり依頼
- 助成金の申請(ここが最重要)
- 承認後、契約
- 工事開始
- 工事完了
- 完了報告・助成金受け取り
この順序を必ず守ってください。
重要ポイント③:現実的な金額は5〜30万円
「助成金で工事費用が半額になる」という期待は現実的ではありません。
現実的な助成金の額:
- 最低:5万円程度
- 平均:10〜20万円
- 最高:30万円程度
工事費用の10〜20%程度と考えてください。
30万円を超える助成金が出る制度は、かなり稀です。
重要ポイント④:助成金ありきで業者を選ばない
絶対に避けるべき考え方:
「助成金が使える業者なら、どこでもいい」
助成金が使えても、工事の質が悪ければ意味がありません。
正しい優先順位:
- 信頼できる業者を選ぶ
- 工事の質を確認する
- その中で、助成金対応できる業者を選ぶ
助成金は「おまけ」程度に考え、工事の質を最優先にしてください。
重要ポイント⑤:複数の業者に相談して比較する
助成金が使えるからといって、1社だけで決めるのは危険です。
必ず複数社(最低3社)から見積もりを取ってください。
比較すべきポイント:
- 助成金対応の経験があるか
- 申請サポートの内容
- 見積もりの詳細さ
- 使用する塗料の品質
- 工事の質
- 保証内容
- 対応の丁寧さ
助成金対応だけでなく、総合的に判断することが重要です。
重要ポイント⑥:予算は先着順で終了する
自治体の助成金は、年度ごとに予算が決まっています。
予算に達した時点で受付終了となります。
助成金を使いたいなら、年度の早い時期(4月〜6月)に申請することをおすすめします。
「夏になったらやろう」「秋に申請すればいい」と思っていると、
予算が尽きて間に合わない可能性があります。
重要ポイント⑦:自分で自治体に確認する
業者の説明だけで判断せず、必ず自分で自治体に確認してください。
確認すべきこと:
- 制度が今も存在するか
- 予算の残りはあるか
- 対象となる条件
- 申請のタイミング
- 必要書類
業者の説明が間違っていたり、古い情報だったりすることもあります。
二重チェックすることで、確実に助成金を受け取れます。
重要ポイント⑧:悪質業者の手口に注意
助成金を餌にした悪質な営業があります。
要注意な営業トーク:
- 「今日契約すれば助成金が使えます」
- 「火災保険で実質無料になります」
- 「助成金で全額補助されます」
- 「助成金の手続きは全部やります」(実際はやらない)
これらの手口に騙されないでください。
助成金はあくまで「おまけ」であり、工事の質が最優先です。
⑪ 今すぐできる、助成金を確実に受け取る第一歩
ここまで、助成金の実態と注意点を解説してきました。
最後に、具体的な行動ステップをお伝えします。
ステップ1:自分の自治体に制度があるか確認
まずは、お住まいの市区町村の窓口に電話してください。
問い合わせ先:
- 市区町村の代表番号に電話
- 「外壁塗装で使える助成金について聞きたい」と伝える
- 担当部署(建築課、住宅課など)につないでもらう
確認すべきこと:
- 制度の有無
- 対象となる条件(築年数、所得制限など)
- 金額(上限、助成率)
- 申請期間(いつからいつまで)
- 必要書類
- 申請のタイミング(契約前か、契約後か)
- 予算の残り状況
電話で聞いた内容は、必ずメモに残してください。
担当者の名前も聞いておくと、後で「聞いていた話と違う」というトラブルを防げます。
ステップ2:複数の業者から見積もりを取る
助成金の有無が分かったら、次は業者選びです。
1社だけでは、価格や対応の良し悪しが判断できません。
必ず複数社(最低3社)から見積もりを取ってください。
見積もり依頼時に必ず伝えること:
「外壁塗装で、○○市の助成金を使いたいと思っています。助成金申請のサポートはできますか?」
この質問で、業者の経験と対応力が分かります。
一括見積もりサービスを活用する:
自分で一社一社業者を探すのは、時間も手間もかかります。
一括見積もりサービスなら、
- 審査済みの優良業者のみが登録
- 一度の入力で複数社から見積もり
- 助成金対応の経験がある業者を比較できる
- 完全無料で利用可能
- しつこい営業のリスクが低い
効率的に優良業者を見つけることができます。
ステップ3:助成金対応の可否を比較する
見積もりが届いたら、以下を確認してください。
比較ポイント:
- 助成金制度を理解しているか
- 制度の内容を正確に把握しているか
- 最新の情報を持っているか
- 申請サポートの経験があるか
- 過去に何件サポートしたか
- 必要書類を準備できるか
- 申請のタイミングを理解しているか
- 工事前申請が必要なことを知っているか
- 正しい手順を説明できるか
- サポート費用は無料か、有料か
- 多くの優良業者は無料でサポート
- 有料の場合は、金額を確認
- 「絶対使えます」と断言しないか
- 慎重な説明をする業者が誠実
助成金対応だけでなく、工事の質、保証内容、対応の丁寧さも総合的に判断しましょう。
ステップ4:自治体に最新情報を確認
業者からの情報だけでなく、必ず自分でも自治体に確認してください。
確認すべきこと:
- 今年度の制度が継続しているか
- 予算の残りはあるか
- 申請のタイミングは合っているか
- 業者から聞いた情報に間違いはないか
二重チェックすることで、確実に助成金を受け取れます。
ステップ5:冷静に判断する
助成金は魅力的ですが、それだけで業者を決めないでください。
正しい判断基準(優先順位):
- 業者の信頼性
- 建設業許可を持っているか
- 塗装技能士が在籍しているか
- 営業年数と実績
- 口コミ・評判
- 工事の質
- 使用する塗料の品質
- 施工方法(3度塗りを守るか)
- 職人の技術力
- 保証内容
- 保証期間(5年〜10年)
- 保証範囲
- 書面化されているか
- 対応の丁寧さ
- 質問に明確に答えてくれるか
- 説明が分かりやすいか
- 契約を急かさないか
- 助成金対応の可否
この優先順位を守ることが、後悔しない外壁塗装につながります。
助成金で10万円節約できても、手抜き工事で5年後に100万円の修理費がかかっては意味がありません。
長期的な視点で、冷静に判断してください。
ステップ6:納得してから申請・契約
少しでも疑問や不安があれば、申請や契約を延期しましょう。
納得できるまで:
- 質問する
- 他社と比較する
- 家族や第三者に相談する
- 自治体に再確認する
焦る必要はありません。
ただし、助成金の予算は限られているので、年度の早い時期に動き始めることをおすすめします。
最後に
助成金・補助金は、外壁塗装の費用を抑える有効な手段です。
しかし、助成金だけに目を奪われて、本質を見失わないでください。
最も重要なのは、信頼できる業者に、適正価格で、質の高い工事をしてもらうこと。
助成金は、その上で「使えたらラッキー」程度に考えるのが健全です。
私が建築会社を経営する中で、最も心を痛めるのは、
「助成金に釣られて悪質な業者を選んでしまった」という相談です。
- 助成金20万円を受け取った
- しかし、手抜き工事で5年後に再塗装が必要になった
- 結果的に、助成金以上の損失になった
このようなケースを何度も見てきました。
目先の助成金より、長期的な視点で業者を選んでください。
この記事で解説した内容を参考に、
- 自治体の制度を確認する
- 複数の業者を比較する
- 工事の質を最優先に判断する
- 助成金は「おまけ」程度に考える
この手順を踏めば、助成金を確実に受け取り、満足のいく外壁塗装ができます。
焦らず、冷静に、納得できる判断をしてください。
助成金は魅力的ですが、それ以上に重要なのは、
- あなたの大切な住まいを守ること
- 信頼できる業者と出会うこと
- 長期的に見て最もコストパフォーマンスが良い選択をすること
この記事があなたの助成金活用と、後悔のない外壁塗装につながれば、
これ以上の喜びはありません。
そして、この記事を読んだあなたが、適切な判断をすることで、業界全体がより誠実で透明性の高いものになっていくことを願っています。
知識を持つ施主が増えれば、悪徳業者は淘汰され、
誠実な業者が正当に評価される業界になります。
あなたの一つひとつの選択が、業界を変える力になるのです。


コメント