「見積書に『保証10年』って書いてあるけど、これで安心していいの?」
「保証の内容が具体的に書かれていないけど、普通はこんなもの?」
「契約した後で『それは保証対象外です』って言われたらどうしよう」
見積書を受け取ったとき、保証について不安を感じる方は多いです。
建築会社を経営している立場から、正直に言わせていただきます。
見積書の保証欄に「10年保証」とだけ書いてある業者は、注意が必要です。
なぜなら、保証は「年数」ではなく「中身」が重要だからです。
何が保証されるのか、何が対象外なのか、条件は何か。
これらが見積書や契約書に明記されていなければ、後からトラブルになる可能性があります。
この記事では、
外壁塗装の見積もりで保証についてどこをチェックすべきか、現場経験をもとに解説します。
この記事でわかること
- 見積書で保証について確認すべき5つのポイント
- 「要注意」な保証の書き方パターン
- 契約前に業者へ確認すべき質問
- 保証トラブルを防ぐための具体的な対策
結論:見積書の保証欄は「年数」だけでなく「中身」を確認する
外壁塗装の見積書で保証について確認すべきポイントは、以下の5つです。
| 確認項目 | 良い例 | 要注意な例 |
|---|---|---|
| 保証年数 | 塗料の耐用年数に見合っている | 耐用年数を大きく超えている |
| 保証対象 | 「剥がれ・浮き・膨れ」と明記 | 「施工不良」とだけ記載 |
| 免責事項 | 具体的に列挙されている | 記載なし、または曖昧 |
| 保証条件 | 条件が明確に書かれている | 条件の記載がない |
| 保証書発行 | 「保証書を発行します」と明記 | 記載なし |
これらが見積書に明記されているか、または別紙で説明があるかを確認してください。
「10年保証」という文字だけで安心せず、中身を確認することが大切です。
見積書で保証について確認すべき5つのポイント
見積書を受け取ったら、保証について以下の5つを確認してください。
ポイント1:保証年数は塗料の耐用年数に見合っているか
保証年数と、使用する塗料の耐用年数を比較してください。
塗料別の妥当な保証年数
| 塗料の種類 | 耐用年数の目安 | 妥当な保証年数 |
|---|---|---|
| ウレタン塗料 | 8〜10年 | 5〜7年 |
| シリコン塗料 | 10〜13年 | 7〜10年 |
| フッ素塗料 | 15〜20年 | 10〜15年 |
| 無機塗料 | 20〜25年 | 15〜20年 |
要注意なケース
- シリコン塗料で「15年保証」
- ウレタン塗料で「10年保証」
塗料の耐用年数を超える保証は、免責事項が多い可能性があります。
保証期間の妥当性について詳しくは、外壁塗装の保証期間は何年が妥当?で解説しています。
ポイント2:何が保証対象なのか明記されているか
「保証10年」とだけ書かれていても、何が保証されるのかわかりません。
確認すべき内容
- 剥がれ・浮きは保証されるか
- 膨れ・ひび割れは保証されるか
- 色あせ・変色は保証されるか
- 付帯部(雨樋・破風板など)も対象か
良い例
保証内容:施工不良に起因する塗膜の剥がれ・浮き・膨れを10年間保証
要注意な例
保証:10年
具体的な保証内容が書かれていない場合は、業者に確認してください。
ポイント3:免責事項が明記されているか
保証対象外となる項目(免責事項)が明記されているかを確認します。
よくある免責事項
- 経年劣化・自然劣化による色あせ
- 自然災害(台風・地震・洪水など)
- 飛来物による損傷
- お客様の過失による損傷
- 下地の問題に起因する不具合
- 結露・湿気による不具合
免責事項が見積書に書かれていない場合、契約書や保証書で確認する必要があります。
確認すべき質問 「保証対象外となるのは、どのようなケースですか?」
この質問に明確に答えられない業者は、注意が必要です。
ポイント4:保証の条件が明記されているか
保証を有効にするための条件が書かれているかを確認します。
よくある条件
- 定期点検を受けること(1年・3年・5年など)
- 不具合発見後○日以内に連絡すること
- 他社による補修・塗り替えを行っていないこと
- 建物の用途を変更していないこと
要注意なケース
- 条件が一切書かれていない(後から条件を付けられる可能性)
- 条件が厳しすぎる(毎年の有料点検が必須など)
条件を満たさないと保証が無効になることがあるため、事前に確認してください。
ポイント5:保証書が発行されるか明記されているか
口頭の約束ではなく、書面で保証書が発行されるかを確認します。
保証書に記載されるべき内容
- 工事完了日
- 保証期間(開始日と終了日)
- 保証対象(何が保証されるか)
- 免責事項(何が保証されないか)
- 保証を受けるための条件
- 連絡先
見積書に「保証書を発行します」と明記されているか確認してください。
記載がない場合は、「保証書は発行されますか?」と質問してください。
「要注意」な保証の書き方パターン
見積書で以下のような保証の書き方があった場合、注意が必要です。
パターン1:「保証○年」とだけ書いてある
【見積書の記載例】
保証:10年
何が保証されるのか、何が対象外なのか、条件は何か、すべて不明です。
このような記載の場合、必ず詳細を確認してください。
パターン2:保証について一切記載がない
見積書に保証についての記載が一切ない場合があります。
「保証はありますか?」と質問したら「口頭で説明します」と言われた。
これは危険です。
口頭の約束は、後から「言った・言わない」のトラブルになります。
必ず書面で確認してください。
パターン3:「メーカー保証○年」とだけ書いてある
【見積書の記載例】
メーカー保証:15年
メーカー保証と業者保証は、別物です。
メーカー保証
- 塗料メーカーが保証するもの
- 「塗料の品質」を保証(製品の欠陥など)
- 「施工不良」は対象外
業者保証
- 施工業者が保証するもの
- 「施工の品質」を保証(剥がれ・浮きなど)
メーカー保証だけでは、施工不良による剥がれは保証されません。
業者保証が別途あるかを確認してください。
パターン4:保証年数が塗料の耐用年数を大きく超えている
【見積書の記載例】
塗料:シリコン塗料
保証:15年
シリコン塗料の耐用年数は10〜13年程度です。
15年保証は、塗料の耐用年数を超えています。
このような場合、免責事項が多く、実質的に使えない保証の可能性があります。
「なぜシリコン塗料で15年保証が可能なのですか?」と質問してください。
パターン5:「当社規定による」と書いてある
【見積書の記載例】
保証:10年(当社規定による)
「当社規定」の中身がわかりません。
規定の内容を書面で確認してください。
見積書の不透明な記載については、
外壁塗装の見積もり「一式」が多いときに注意すべきポイントでも解説しています。
契約前に業者へ確認すべき5つの質問
見積書の保証内容に不明点がある場合、以下の質問をしてください。
質問1:「具体的に何が保証されますか?」
理想的な回答
「施工不良に起因する剥がれ・浮き・膨れを保証します。
色あせについては、著しい変色の場合のみ対象となります」
要注意な回答
「基本的に何かあれば対応します」 「施工不良があれば保証します」
具体的に答えられない業者は、保証内容が曖昧な可能性があります。
質問2:「保証対象外になるのはどんなケースですか?」
理想的な回答
「経年劣化による色あせ、自然災害、飛来物による損傷、お客様の過失は対象外となります。
詳細は保証書に記載します」
要注意な回答
「特にありません」 「その時に判断します」
免責事項が明確でない業者は、後から「それは対象外です」と言われる可能性があります。
質問3:「保証を受けるための条件はありますか?」
理想的な回答
「不具合を発見したら30日以内にご連絡ください。
定期点検については、任意ですがお受けいただくと安心です」
要注意な回答
「特にありません」(後から条件を付けられる可能性)
「毎年の有料点検が必須です」(条件が厳しすぎる)
条件が後から変わらないよう、書面で確認してください。
質問4:「保証書は発行されますか?」
理想的な回答
「はい、工事完了後に保証書を発行します。保証内容、免責事項、条件などをすべて記載します」
要注意な回答
「口頭でお伝えします」
「何かあれば対応しますので、保証書は特に出していません」
保証書がない場合、後からトラブルになる可能性が高いです。
質問5:「業者が倒産した場合、保証はどうなりますか?」
理想的な回答
「第三者保証(瑕疵保険)に加入していますので、
万が一弊社が倒産しても保険会社が保証を引き継ぎます」
要注意な回答
「うちは倒産しませんから大丈夫です」 「そこまでは保証できません」
第三者保証(瑕疵保険)があると、業者が倒産しても安心です。
保証トラブルを防ぐための3つの対策
契約前に以下の対策をしておくと、保証トラブルを防ぎやすくなります。
対策1:保証内容を書面で残す
口頭の説明だけでなく、必ず書面で残してください。
書面で確認すべき内容
- 保証期間
- 保証対象
- 免責事項
- 保証条件
- 保証書発行の有無
見積書に記載がない場合は、「保証内容を書面でいただけますか?」と依頼してください。
対策2:施工記録(写真)を残してもらう
施工中の写真を残してもらうことで、後から「施工が適切だったか」を確認できます。
残してもらうべき写真
- 高圧洗浄後の状態
- 下塗り後の状態
- 中塗り後の状態
- 上塗り後の状態
施工記録があれば、保証を申請するときの証拠になります。
高圧洗浄の重要性については、
外壁塗装の高圧洗浄をケチるとどうなる?で詳しく解説しています。
対策3:複数の業者で保証内容を比較する
保証内容は、業者によって大きく異なります。
複数の業者から見積もりを取り、保証内容を比較することをおすすめします。
比較すべきポイント
- 保証年数
- 保証対象の範囲
- 免責事項の内容
- 第三者保証(瑕疵保険)の有無
比較することで、どの業者の保証が充実しているかが見えてきます。
業者選びで迷っている方は、複数の業者に見積もりを依頼して、保証内容を比較してみてください。
よくある質問
Q. 見積書に保証について何も書かれていません。普通ですか?
A. 保証について何も書かれていないのは、望ましくありません。
保証の有無、年数、内容について、必ず確認してください。
書面で記載がない場合は、「保証内容を書面でいただけますか?」と
依頼することをおすすめします。
Q. 「メーカー保証10年」と書いてあれば安心ですか?
A. メーカー保証だけでは不十分です。
メーカー保証は「塗料の品質」を保証するもので、「施工不良」は対象外です。
業者保証が別途あるかを確認してください。
Q. 保証内容に納得できない場合、交渉できますか?
A. 交渉は可能ですが、保証内容を大きく変えることは難しい場合が多いです。
保証内容に納得できない場合は、他の業者と比較検討することをおすすめします。
保証内容が充実している業者を選ぶ方が、後悔は少なくなります。
Q. 保証書はいつもらえますか?
A. 通常、工事完了後にもらえます。
契約前に「工事完了後に保証書を発行していただけますか?」と確認し、
発行を約束してもらってください。
工事完了後、保証書を受け取るまで最終金の支払いを待つ方法もあります。
Q. 第三者保証(瑕疵保険)は必須ですか?
A. 必須ではありませんが、あると安心です。
第三者保証があれば、業者が倒産しても保険会社が保証を引き継ぎます。
長期保証を重視する方は、第三者保証の有無を確認することをおすすめします。
まとめ:保証は「年数」ではなく「中身」で判断する
外壁塗装の見積もりで保証について確認すべきポイントは、以下の5つです。
| 確認項目 | チェックポイント |
|---|---|
| 保証年数 | 塗料の耐用年数に見合っているか |
| 保証対象 | 何が保証されるか明記されているか |
| 免責事項 | 何が対象外か明記されているか |
| 保証条件 | 条件が明確に書かれているか |
| 保証書発行 | 書面で発行されるか |
「10年保証」という文字だけで安心せず、中身を確認してください。
要注意な保証の書き方
- 「保証○年」とだけ書いてある
- 保証について一切記載がない
- 「メーカー保証」だけで業者保証がない
- 塗料の耐用年数を大きく超える保証年数
- 「当社規定による」など曖昧な記載
これらに該当する場合は、業者に詳細を確認してください。
保証内容を書面で残し、施工記録(写真)を残してもらうことで、トラブルを防ぎやすくなります。
複数の業者から見積もりを取り、保証内容を比較することで、信頼できる業者が見えてきます。
業者選びで迷っている方は、まずは複数の業者に相談してみることをおすすめします。
最後に|家族で共有してください
建築会社を経営してきた立場から、最近特に感じていることがあります。
見積書の「保証10年」という文字を見て、そのまま契約してしまう方が非常に多いです。
特に高齢のご両親や祖父母が一人で業者と話を進めている場合、
「保証があるから安心」と判断してしまうことも少なくありません。
でも、保証は「年数」だけでなく「中身」が重要です。
何が保証されるのか、何が対象外なのか、条件は何か。
これらを確認しないまま契約すると、
後から「それは保証対象外です」と言われて困ることになります。
この記事を、ご家族で共有してください。
「見積書に保証内容は書いてあるか」
「免責事項は何か」
「保証書は発行されるか」
こうした点を一緒に確認することで、より納得できる判断ができます。
一人で抱え込まず、家族や信頼できる人に相談しながら、
じっくり時間をかけて業者を選んでください。
保証の「年数」に惑わされず、「中身」を確認できる業者を選ぶことが大切です。
この記事が、あなたとご家族の判断材料の一つになれば幸いです。


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