見積もりを受け取って、こんな表記を目にしたことはありませんか。
「外壁塗装工事一式 120万円」 「付帯工事一式 15万円」 「諸経費一式 10万円」
項目の多くが「一式」と書かれていて、具体的に何をするのかがよくわからない。
「そういうものなのかな」と思いつつ、何となく不安も残る。
「他の業者の見積もりには、もっと細かく書いてあったのに」
建築会社を経営してきた立場から言わせていただくと、
「一式」表記が多い見積もりは、内容を確認する必要があります。
「一式」そのものが悪いわけではありませんが、
中身が不透明だと、後からトラブルになることがあります。
結論
外壁塗装の見積もりで「一式」表記が多い場合、何が含まれているかを確認することが重要です。
「一式」そのものが問題ではなく、
業者がその中身を具体的に説明できるかどうかが判断の分かれ目です。
説明を求めたときに、塗料の種類、工程数、面積などを明確に答えてくれる業者なら、
「一式」表記でも問題ないケースがあります。
逆に、説明を拒否する、曖昧な回答しかできない業者は注意が必要です。
理想的には、項目ごとに分かれ、面積と単価が記載された見積もりの方が、比較しやすく、
トラブルも避けやすいです。
後悔する前に知っておくべき、「一式見積り」に潜む4つの落とし穴
「一式」と書かれた見積もりで、実際に起きやすい問題をお伝えします。
何が含まれているかわからない
「外壁塗装工事一式 120万円」と書かれていても、以下の点が不明です。
- 高圧洗浄は含まれているか
- 下塗り・中塗り・上塗りの三度塗りか
- シーリング(コーキング)の打ち替えは含まれているか
- 使用する塗料のメーカー名・商品名は何か
- 付帯部(雨樋・破風板など)の塗装は含まれているか
これらが明記されていないと、
「含まれていると思っていたのに、別料金だった」というトラブルが起きる可能性があります。
他社と比較できない
A社の「外壁塗装工事一式 120万円」と、
B社の「外壁塗装工事一式 100万円」があった場合、どちらが適正かわかりません。
- 内容が同じなのか
- 工程が違うのか
- 塗料のグレードが違うのか
比較するための判断材料がありません。
「一式」表記のままでは比較できない場合は、
外壁塗装の相見積もりで金額がバラバラになる理由も参考にしてください。
後から追加費用を請求される
「一式」に含まれていない項目が、後から追加費用として請求されることがあります。
「足場代は別です」 「ひび割れ補修は別料金です」 「高圧洗浄は一式に入っていません」
こうした事態を避けるため、事前に何が含まれているかを確認することが大切です。
適正価格かどうか判断できない
「一式 120万円」と書かれていても、それが高いのか安いのか、適正なのか判断できません。
面積や単価がわからないため、相場感をつかむこともできません。
「一式」が使われやすい項目
見積もりで「一式」と書かれやすい項目と、その注意点をお伝えします。
外壁塗装工事一式
最も多い「一式」表記です。
確認すべき内容は以下の通りです。
- 外壁の面積は何㎡か
- 使用する塗料のメーカー名・商品名
- 下塗り材の種類(シーラー・フィラー・プライマー)
- 工程数(三度塗りか二度塗りか)
- 高圧洗浄は含まれているか
- シーリング打ち替えは含まれているか
これらを口頭または書面で確認してください。
付帯工事一式
「付帯工事一式」と書かれている場合、以下のどれが含まれているか不明です。
- 雨樋塗装
- 破風板塗装
- 軒天塗装
- 雨戸塗装
- 水切り塗装
「付帯工事には何が含まれていますか?」と確認してください。
諸経費一式
「諸経費一式」には、以下が含まれることが多いです。
- 業者の利益
- 現場管理費
- 移動費・交通費
- 廃材処理費
諸経費の金額が極端に高い場合(総額の20%以上など)は、内訳を確認してもいいでしょう。
足場工事一式
「足場工事一式」と書かれている場合、以下を確認してください。
- 足場の面積は何㎡か
- ㎡単価はいくらか
- 設置と撤去の両方が含まれているか
- 飛散防止シートは含まれているか
足場は外壁塗装の費用の中で大きな割合を占めるため、内訳を確認することをおすすめします。
高圧洗浄一式
「高圧洗浄一式」と書かれている場合、以下を確認してください。
- 洗浄する面積は何㎡か
- ㎡単価はいくらか
- 使用する水圧はどれくらいか
高圧洗浄が見積もりに記載されていない場合は、
「外壁塗装工事一式」に含まれているか、
それとも省略されているか(これは要注意)を確認してください。
現役プロが直伝!「一式」の内容を2分でチェックする魔法の質問
「一式」と書かれた見積もりを受け取ったとき、以下の点を確認してください。
1. 口頭でいいので内訳を説明してもらう
「外壁塗装工事一式」の中身を、具体的に説明してもらってください。
確認すべき項目は以下の通りです。
- 使用する塗料のメーカー名・商品名
- 下塗り材の種類(シーラー・フィラー・プライマー)
- 工程数(三度塗りか二度塗りか)
- 高圧洗浄の有無
- シーリングの打ち替えの有無
- 付帯部塗装(雨樋・破風板など)の有無
これらを説明できる業者は、「一式」と書いていても、内容を把握している証拠です。
逆に、説明できない業者は、注意が必要です。
2. 何が含まれていないかを確認する
「一式」に含まれていない項目を確認してください。
「この見積もりに含まれていない作業はありますか?」
この質問に対して、明確に答えてくれる業者は誠実です。
「すべて含まれています」と答えるか、
「○○は別料金になります」と答えるかで、業者の透明性が見えます。
曖昧な回答しかできない業者は、後からトラブルになる可能性があります。
3. 面積や単価の根拠を聞く
「外壁塗装工事一式 120万円」と書かれていても、以下を確認してください。
- 外壁の面積は何㎡か
- ㎡単価はいくらか
- なぜこの金額になるのか
面積や単価を説明できる業者は、根拠を持って見積もりを作っている可能性が高いです。
説明できない業者は、適当に金額を設定している可能性があります。
4. 書面で内訳を出してもらう
可能であれば、「一式」の内訳を書面で出してもらうよう依頼してください。
「内訳がわからないので、詳細を書面でいただけますか?」
この依頼を嫌がる業者は、内容を明かしたくない可能性があります。
誠実な業者なら、喜んで内訳を提供してくれます。
これなら安心!「一式」表記でも信頼できる業者の共通点
「一式」表記がすべて悪いわけではありません。
以下のような場合は、「一式」でも問題ないケースがあります。
口頭で内訳を説明してくれる
見積書には「一式」と書かれていても、
口頭で具体的な内訳を説明してくれる業者は、信頼できる可能性があります。
「書面には書いていませんが、内容は○○です」と明確に答えてくれるなら、問題ありません。
ただし、できれば書面で残してもらう方が安心です。
別紙で詳細が添付されている
見積書には「一式」と書かれていても、
別紙で詳細な内訳が添付されている場合は問題ありません。
- 塗料の種類と数量
- 各工程の㎡単価
- 足場の面積と単価
- 付帯部の項目と単価
これらが別紙に記載されていれば、「一式」表記でも内容は透明です。
追加費用が発生しない旨が明記されている
見積書に「この金額で全工程を含みます。
追加費用は発生しません」と明記されている場合、安心材料になります。
ただし、これも口頭だけでなく、書面で残してもらうことが大切です。
「どういう場合に追加費用が発生しますか?」と念のため確認しておくと、より安心です。
現役経営者が推奨する「100点満点の見積書」とは?
参考までに、理想的な見積書の形をお伝えします。
項目ごとに分かれている
理想的な見積書は、以下のように項目ごとに分かれています。
- 足場設置・撤去:○○円(面積○○㎡、単価○○円/㎡)
- 高圧洗浄:○○円(面積○○㎡、単価○○円/㎡)
- 下塗り(シーラー):○○円(面積○○㎡、単価○○円/㎡)
- 中塗り(○○塗料):○○円(面積○○㎡、単価○○円/㎡)
- 上塗り(○○塗料):○○円(面積○○㎡、単価○○円/㎡)
- シーリング打ち替え:○○円(長さ○○m、単価○○円/m)
- 雨樋塗装:○○円
- 破風板塗装:○○円
このように、項目ごとに分かれていると、何をどれだけするのかが明確です。
塗料のメーカー名・商品名が明記されている
「シリコン塗料」ではなく、
「日本ペイント パーフェクトトップ」など、具体的な商品名が書かれていると安心です。
商品名がわかれば、自分で調べることもできます。
面積と単価が記載されている
「外壁塗装 120万円」ではなく、「外壁塗装 120㎡ × 10,000円/㎡ = 120万円」のように、
計算根拠が明確だと納得しやすいです。
面積や単価がわかれば、他社と比較しやすくなります。
「一式」が多い見積もりを受け取ったときの対応
「一式」表記が多い見積もりを受け取ったとき、以下のように対応することをおすすめします。
内訳を書面で出してもらう
まずは、内訳を書面で出してもらうよう依頼してください。
「一式の内訳を、書面でいただけますか?」
この依頼を快く受けてくれる業者なら、透明性があります。
嫌がる、理由をつけて断る業者は、内容を明かしたくない可能性があります。
他社の見積もりと比較する
「一式」表記が多い見積もりだけでは、適正かどうか判断しにくいです。
他の業者にも見積もりを取り、内訳が明確な見積書と比較してください。
比較することで、「一式」の中に何が含まれているか、逆算して推測できることもあります。
不明点を質問したときの対応を見る
「この一式には何が含まれていますか?」と質問したとき、業者がどう対応するかが重要です。
- 丁寧に説明してくれるか
- 質問を嫌がらないか
- 根拠を持って答えられるか
質問に誠実に答えてくれる業者なら、「一式」表記でも信頼できる可能性があります。
逆に、質問を嫌がる、曖昧な回答しかできない業者は注意が必要です。
契約前に内容を確認する
「一式」のまま契約すると、後から「それは含まれていない」と言われる可能性があります。
契約書にも「一式」としか書かれていないか確認し、
不安がある場合は、内訳を書面で残してもらってから契約してください。
よくある質問
Q. 「一式」表記の見積もりは断った方がいいですか?
A. 必ずしも断る必要はありません。
「一式」の中身を業者が説明できるかどうかが重要です。口頭でも書面でも、具体的な内訳を教えてくれる業者なら問題ないケースもあります。説明を拒否する、曖昧な回答しかできない場合は注意が必要です。
Q. 内訳を出してもらうことはできますか?
A. できます。
「詳細な内訳を書面でいただけますか?」と依頼してください。誠実な業者なら、喜んで提供してくれます。それを嫌がる業者は、内容を明かしたくない可能性があります。
Q. 「一式」表記でも、契約して大丈夫ですか?
A. 内容を確認してからにしてください。
「一式」の中身を口頭または書面で確認し、納得できてから契約することをおすすめします。不明点が残ったまま契約すると、後からトラブルになる可能性があります。
Q. 他社の見積書には「一式」がないのに、この業者だけ「一式」が多いです。どう判断すればいいですか?
A. 内訳が明確な見積書の方が、比較しやすいです。
「一式」が多い業者には、内訳を出してもらうよう依頼してください。それでも出してくれない場合は、内訳が明確な他社を選ぶ方が安心です。
Q. 「一式」と書かれていても、契約書には詳細が書いてあるのでしょうか?
A. 契約書にも「一式」としか書かれていないケースもあります。
契約前に、契約書の内容も確認してください。「一式」のまま契約すると、後から「それは含まれていない」と言われる可能性があります。詳細が書かれていない場合は、別紙で内訳を添付してもらうことをおすすめします。
まとめ
外壁塗装の見積もりで「一式」表記が多い場合、何が含まれているかを確認することが重要です。
「一式」そのものが問題ではなく、
業者がその中身を具体的に説明できるかどうかが判断の分かれ目です。
以下の点を確認してください。
- 「一式」の中身を口頭または書面で説明してもらう
- 何が含まれていないかを確認する
- 面積や単価の根拠を聞く
- 可能であれば、書面で内訳を出してもらう
説明を求めたときに、
「塗料の種類」「工程数」「面積」などを明確に答えてくれる業者なら、
「一式」表記でも問題ないケースがあります。
逆に、説明を拒否する、曖昧な回答しかできない業者は注意が必要です。
理想的には、項目ごとに分かれ、面積と単価が記載された見積もりの方が、
比較しやすく、トラブルも避けやすいです。
「一式」表記が多い見積もりを受け取ったときは、焦らず、
内訳を確認してから判断してください。
納得できる説明がない場合は、他の業者にも見積もりを取ることをおすすめします。
最後に|家族で共有してください
建築会社を経営してきた立場から、最近特に感じていることがあります。
「一式」という表記は、一見すると専門的で、「そういうものだ」と思ってしまいがちです。
特に高齢のご両親や祖父母が一人で見積もりを確認している場合、
「よくわからないけど、業者が言うなら大丈夫だろう」と判断してしまうことも少なくありません。
外壁塗装は、家を長く守るための大切な投資です。
「一式」表記が多い見積書を受け取ったら、ご家族で内容を共有し、
この記事でお伝えしたポイントを一緒に確認することをおすすめします。
- 「この一式には、何が含まれているのか」
- 「業者に聞いたときに、説明してくれたか」
- 「不明な点はないか」
こうした点を話し合うことで、より納得できる判断ができます。
一人で抱え込まず、家族や信頼できる人に相談しながら、
じっくり時間をかけて業者を選んでください。
「一式」と書かれていても、中身を説明してくれる業者を選ぶことが大切です。
この記事が、あなたとご家族の判断材料の一つになれば幸いです。


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